ブレないキャリアを歩む「人生目的」の見つけ方。仲渡龍之介×渡邉 陽さん対談

 

将来のキャリアプランを考えたときに「一番やりたいことがわからない…。」と迷ってしまうことはありませんか?わたしたちはどのように自分自身と向き合い、キャリアの実現に向けてアプローチをしていけばいいのでしょうか?

今回B&では、株式会社オンリーワン執行役員であり、心理学習EQ・トップトレーナーの仲渡龍之介さんを講師にお招きし「ブレないキャリアを歩む『人生目的』の見つけ方」を学びます。後半では、実際にプログラムを受講中の現役スキージャンプ選手・渡邉陽さんの生の声をお届け。おふたりのトークの様子をお届けします。

 

■ゲスト

渡邉 陽(わたなべ みなみ)

東部ダイハツグループ所属のスキージャンプ選手。小学3年のころに競技を始め、高校2年にFISカップ・コンチネンタルカップを経験。高校3年でシニア大会初優勝、インターハイ2連覇。世界ジュニア選手権アメリカ大会・男女ミックス団体戦では銅メダルを獲得。現在は2030年開催の冬季オリンピックでメダル獲得を目指し練習に励んでいる。将来的に「女性アスリートの自立をサポートする」ことを念頭に活動中。


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●講師プロフィール

仲渡龍之介(なかと りゅうのすけ)

株式会社オンリーワン執行役員、心理学習EQ・トップトレーナー。心理学と脳科学の科学的根拠に基づき独自開発された「教育プログラム」を軸に、数千名以上のアスリートへのキャリア支援を実施。女性アスリートからの支持が厚く、現在40名程の日本代表アスリートを中心にサポートを行っている。

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人生に対して、不安を抱いたことはありますか?


脳科学と心理学という2つの科学的知見の根拠を持ち、アスリートのポテンシャルを最大限に引き出すための教育プログラム「心理学習EQ」。講師である仲渡さんは、現在40名ほどのアスリートへの指導をご担当されています。

 

今回は、普段行っているアスリート向けのプログラムを、B&読者の皆さま向けに凝縮させた内容で進めていただきました。

 

 

仲渡さん
本日はよろしくお願いします。最初にお伺いしたいのですが、皆さんは人生に対して“不安な気持ち”を抱いたことはありますか?まずは脳科学と心理学、2つの側面からアプローチを行う「心理学習EQ」のメソッドの一部を共有していきたいと思います。

 

 

仲渡さん
こちらの図を参考にすると、扁桃体が活性化する=不安な状態に陥りやすいということがわかります。逆に「あの選手はメンタルが強い」などと言われる場合は、脳科学的に前頭前野領域の機能が優位になっている状態を指します。


脳科学の側面から「不安になることは生理現象」と理解できましたが、ではその“不安”はどのように解消していけばよいのでしょうか?

 

 

仲渡さん
次に見ていただきたい絵図は、心理学で用いられることの多い氷山です。私たちの心の中は、海面上にある「意識」と、水面下にある「無意識」の領域に分けられます。

意識の領域(5%)

「顕在意識」=引き出し済みの能力。人が普段、認識ができる意識。

無意識の領域(95%)

①「潜在意識」=自分で認識していない能力。ポテンシャルや伸び代。
②「高次意識」=ひらめき(スポーツ界におけるゾーン)

 

仲渡さん
実は神経伝達物質と言われるホルモンの作用によって、人間の感情は動かされています。つまり、神経伝達物質であるアドレナリンやセロトニンなどの特性を理解した上で、自分自身の「不安」に対する解消方法を言語化させることが、不安を解消する上で重要なポイントになってきます。


冒頭で皆さんに人生に対して”不安な気持ち”を抱いたことがあるかと伺いましたが、その大半が「この仕事は本当に自分に合っているのだろうか」「働きがいを感じられなくて、転職を繰り返してしまうけど、いつまでこのような働き方なのか」など、仕事が関わるお悩みが多いのではないでしょうか?

この日セミナーを受講された皆さんは、会社員・フリーランスと様々でしたが、「自分自身を株式会社の経営者張本人として見立てる」という概念で、物事を捉える自己成長の方法について考えていきます。

 

 

仲渡さん
ここで、いろんな働き方をされている皆さんに質問ですが、そもそも会社は何のためにあるんでしょうか?一般的には「社会貢献をするため」に存在するとも言われています。個人としての働きも、組織の一員としての働きも、社会に対してどのように貢献できるかという点に論点が絞られます。

 

【会社を成長させるために必要な経営資源】ヒト・モノ・カネ・情報・時間・理念

 

仲渡さん
「自分株式会社」で特に重要視している理念とは、“想い”を指します。理由として①経営資源の中で唯一自ら作り出せるから(コントロールできる)、②理屈ではなく、“感情”で物事の性質を判断するからです。

 

自己理念=「人生目的」が形成されることで得られるメリット

①”想い”に対して、共感や賛同から経営資源を獲得できる可能性が高まる。
②必要な技術や知識が明確化され、脳内でモチベーションが形成される。

 

価値観を認識する=「人生目的」を見つけるヒントに


自分自身を株式会社の経営者張本人として見立て、自己理念を定めるメリットを簡単に解説させていただきましたが、最終的に「人生目的」を見つけるために、冒頭でお伝えした”言語化をしていく”ことが特に重要になってきます。 その上で、心理学習EQでは、オリジナル自己理念形成フォーマットをご用意しております。

仲渡さん
「人生目的」を見つけるための自己理念の形成は、価値観を認識することから始めます。価値観とはものごとを評価・判断するときに基準となる、自分なりの常識を指します。

 

 

「価値観を言語化する」必要がありますが、これはひとりでは難しいプロセスでもあります。今回、セミナー内では個人ワークとして普段心理学習EQのプログラム内で使用されているワークを一部体感いただきました。

 

仲渡さん
普段、アスリートには、価値観の言語化を目的としたワークをいくつもこなしてもらいます。最終的には自己理念=人生目的のフォーマットを作り実現していくことが、このプログラムのゴールになります。気になる方は無料モニターでのご相談も受け付けております。

無料モニターのお問い合わせはこちらから

渡邉選手×B&編集長トークセッション

 

小田編集長
仲渡さんが普段行なっているアスリートへのプログラムをぎゅっと詰め込んでいただいた内容でした、ありがとうございました。さっそく質問なんですが、渡邊さんはこのプログラムを受けてどのような変化がありましたか?
渡邊選手
日常生活でもジャンプ競技においても、“考えるべきこと”が明確になってきたのを感じています。特に、パフォーマンスで失敗をしてしまった場合の受け取り方には大きく変化が現れました。なぜ失敗をしたのか、きちんと分析をして次に繋げられるような考え方にシフトできるようになりましたね。
小田編集長
選手として大きな成長に繋がっていることがわかります…「価値観を言語化すること」の大切さを体感されてる最中ですね。
渡邊選手
昨年秋からこのプログラムを受け始めてから日記を書き始めたのですが、文字に起こして日々を振り返ることも、自分の考えを自覚するいい機会になってます。
小田編集長
最初に「価値観の言語化」の話を聞いたときどう感じましたか?
渡邊選手
最初は難しすぎて、「何を言ってるんだろう」と思いました(笑)。数をこなすことで理解して実践ができてきているので、自分でも成長を感じますね。
仲渡さん
渡邊選手はもともと、選手としての目標は持っていたけど、その先に何を成し遂げるのかという部分がより明確になりましたし、客観的に自分自身を見れるようになったと思います。意識のアンテナを張り続けることで、一本一本のジャンプにも影響が出るようにもなっています。
小田編集長
自分の価値観を知ることが、競技力にも繋がってるんですね。渡邊選手が、仲渡さんのプログラムを通して見つけた「人生目的」について教えてください。
渡邊選手
私は、Goal(自己実現目標)を自立したアスリートになること、Mission(使命)には社会とウィンタースポーツをつなぐHUBになることを設定しました。自分が社会人アスリートとしての実績を作ることで、今後の女子ジャンプスキー選手のロールモデルになりたいと思ってます。
小田編集長
セカンドキャリアにも繋がる意識がすでに築かれてますね。ちなみに渡邊選手は怪我のご経験もされてますが、言語化をすることがモチベーションに与えた変化はありますか?
渡邊選手
怪我をしたから結果が出ないという「今」にフォーカスしてモチベーションを下げるのではなく、プログラムを通して設定したGoalである「未来」を見据えて練習に励むようになりました。
小田編集長
常に100%を求めてしまって苦しくなってしまうこともあるけど、渡邊選手のように先を見据えた視点を持てるようになると、物事の見え方がガラッと変わりそうですね。

 

参加者からの質問タイム

セミナーの最後には、直接質問ができる時間があり、「キャリア形成」にまつわる質問が飛び出しました。


Q.人生を左右するようなプログラムを実施するにあたって、仲渡さんが意識されていることはなんですか?相手に心を開いてもらえるコツはあるのでしょうか?

仲渡さん
初対面でお会いして、人生の相談を受ける場合もあります。固定観念で決めつけるのではなく、常に選手が話しやすい環境を用意するために先回りをして、能動的に「話したいことを話せた」と思ってもらえるような状況を作り上げることを意識しています。

 

Q.相手から「自分自身の言葉」を引き出す難しさに直面しています。仲渡さんは意識的に行なっていることはありますか?

仲渡さん
対象となるアスリートの過去のメディア掲載記事含め、徹底した事前リサーチを行っています。そして「価値観についての仮説」を立てておいて、表情や声のトーンを観察しながら、その人のための言葉を一緒に探していく作業をしてます。

このセミナーのあと、渡邊陽選手と株式会社Only 1さんのYoutubeチャンネル「Only 1 TV」の収録に参加。
映像はこちらから視聴いただけます!

前編

URL:https://www.youtube.com/watch?v=kzSodUlEz94

後編は6月15日以降公開予定

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