HIITの脂肪燃焼効果を最大限発揮するためのポイント

短時間で高い脂肪燃焼効果が期待できると言われているHIITトレーニング。器具を使わずに強度を高められるため、自宅でできるプログラムなども多く紹介されていますが、やり方を間違えると効果が出にくい一面も。

HIITの脂肪燃焼効果をしっかりと発揮するためにするべきことと、避けたほうがいいポイントをパーソナルトレーナーの椎名優さんに教えていただきました。

HIIT(高強度インターバルトレーニング)とは

HIITトレーニングとは、複数の種目を非常に短い時間でインターバルを挟みながら行うトレーニング方法のこと。短時間に全力を出し、一気に心拍数を高めることで、脂肪燃焼効果を狙います。

種目ごとの秒数、セット数に決まりはなく、トレーニング20秒/インターバル10秒を4セット、もしくはトレーニング30秒/インターバル20秒を5セットとしても問題ありません。

ただし非常に短い時間のトレーニングですので、1セットを全力で取り組めるだけの時間設定にしなければいけません。トレーニング時間を40秒にセットしても、途中でエネルギー切れしてしまい全力が出せないようであれば、高い効果は見込めません。

逆に短すぎて余裕がある場合も効果は落ちてしまいます。20秒間全力ダッシュをしてもまだ余裕があるようであれば、心肺機能を追い込めていないということなので、少しずつ秒数をあげてみましょう。
 

なぜ痩せると言われているのか

HIITトレーニング自体は短い時間で終了しますので、その時間の消費カロリーは決して高くはありません。スマートウォッチなどで活動量を計測すると、トレーニング直後は90〜120kcal前後の人が多いのではないでしょうか(個人差があります)。

HIITが痩せるといわれる最大の特徴はアフターバーン効果にあります。実施後は代謝が上がった状態が24時間~72時間続くと言われており、デスクワークをしていても、家事をしていても通常よりもカロリー消費が高くなることで、結果として普通にトレーニングを行うよりも消費カロリーが高まり、痩せていくというわけです。
 

類似トレーニングとの違い

HIITトレーニングの指導をしていると必ずと言っていいほど聞かれるのは「サーキットトレーニングとどう違うの?」というように、他のトレーニング法やメソッドとの違いについての質問です。

「複数の種目を順にこなす」という点ではサーキットトレーニングなどと類似するところはありますが、HIITトレーニングの最大の特徴は、

短時間で終了する

最大心拍数近くの値で行う

の2点にあります。

HIITトレーニングは最低でも最大心拍数の80%以上のレベルで行う必要があります。よってHIITを行っている間は周りを見る余裕がなくトレーニングに没頭し、非常にキツイと感じる強度で行うものであることが他のトレーニングとの違いです。

よって、キツクないものはHIITになっていないと言えます(心肺機能には個人差があるため、この「キツイ」という感覚は主観で構いません)。

また、最大心拍数近くでトレーニングを続けることで、大量の酸素を消費するため、HIITは有酸素運動に分類されますが、限りなく無酸素運動に近い有酸素運動とも言えます。

同じ特徴をもつものとして「タバタ式トレーニング」が有名ですが、タバタ式はトレーニング20秒、インターバル10秒を1セットとして8セットこなすというように構成が決められている、という点において違いがあります。

ですがHIITが浸透するにつれ「タバタ式HIIT」などの言葉がネットで見られるようになり、このあたりの境目がなくなってきているように思います。

HIITの脂肪燃焼効果を高めるために大切なこと

HIITの効果を最大限発揮させるためには、まずとにかく追い込むこと。これに尽きます。20〜30秒ほどの間に、最低でも最大心拍数の80%以上に心拍を高め、維持するということは想像以上に厳しいもので、終わったあとは少しの間動けなくなる程の強度です。

ですがこのレベルで行わないと、HIITのアフターバーン効果は見込めません。ただの短い有酸素運動になってしまい、消費カロリーも少ないままです。
 

朝に取り入れると効果UP

HIITはアフターバーン効果が最大の特徴です。実施後は日常生活で消費されるカロリーが通常よりも多くなりますので、朝の時間など、就寝までにかなり時間がある時間帯で行うことをおススメします。

HIITの脂肪燃焼効果を下げるため、やらないほうがいいこと

短時間でハイパフォーマンスを実践していくわけですから、トレーニングスタート時にアクセル全開で動けるくらいの状態でいたほうが望ましいでしょう。よって避けるべきなのは…

・空腹状態

・極度の睡眠不足

・ウォーミングアップをしない

・HIIT前のスタティックストレッチ
(筋肉を20秒前後の時間をかけ、深い呼吸を取り入れながらゆっくり伸ばすストレッチ法)

これらは体調不良を招いたり、最大のパフォーマンスを発揮しにくくさせます。

HIIT前は適度な栄養補給、良質な睡眠をこころがけ、軽く心拍数を高めるほどのウォーミングアップを行いましょう。
 

追い込み合う仲間がいると効果的

HIITトレーニングはしっかり自分を追い込めば高い効果が見込めますが、かなりキツイトレーニングです。継続するためにも1人よりもペアやグループで行うことをおススメします。キツイ時間もきっと楽しくなりますよ。

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■プロフィール
椎名優のプロフィール写真

椎名 優(しいな まさる)
パーソナルトレーナーとして、ダイエットを目指す女性や競技力向上を狙うアスリートなど、幅広い層の運動指導に携わる。7年前、ゴルフのパフォーマンスアップを考える中で基本姿勢の重要性に気づき、以後は姿勢改善のプログラムを取り入れるように。株式会社フィットリズム取締役。(株式会社フィットリズムの公式サイト

<保有資格>
NESTA PFT / KINESIS GOLF ADVANCE TRAINER
Golf Conditioning Specialist / Tennis Conditioning Specialist
Fit Arc Certified Running Assessment Specialist Fitness Professional

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