今野顕彰さんの旦那力。キックボクシングが結んだアスリート夫婦の出会い

今野顕彰さんと龍子さんの写真

最強の旦那力に自信。2年越しの片思いを実らせたのは彼女の復帰試合。

今野顕彰さんの奥さんは、NIKE公式インストラクターとしても人気を博し、キックボクシング引退後の現在はSUPレースの選手として活躍中の今野龍子さん。キックボクシングの試合会場で偶然龍子さんを見つけ、猛アピールをするも報われない期間が続いたそう。取材では、当時から変わらない熱すぎる龍子さんへの想いが爆発。敏腕プロデューサーのように龍子さんを見守る顕彰さんの“旦那力”に圧倒されました。

顔がタイプ。からの猛アプローチ。

好きになったきっかけは顔!僕のジムと奥さんのジムとの交流戦で見かけて、「あ、かわいい!」って思って、すぐに飲み会をセッティングしてもらいました。行動は早かったけど、無視されるまでも早かった(笑)。すぐに二人でご飯に行って、電話とかもするようになりました。僕は一所懸命話すのですが、電話を切ったらすぐにまた話したくなっちゃう。だからかけると、もう出てくれないんです。そういう報われない期間が1年くらい続きましたね。

今野顕彰さんと龍子さんの写真だって話長いんだもん(笑)と笑う龍子さん。

もうダメかなと思っていた頃に、たまたま彼女のジムとの合同練習に呼んでもらったんです。しかも彼女はちょうど一年の休息期間明けの復帰試合を控えていて、これはチャンスと。応援とか、祝勝会を口実に連絡できるじゃないですか。正直、下心しかなかったです。しかし、彼女が本気でチャンピオンを目指していることも知っていて、その復帰戦を特別な日にしてもらいたくて、無事、勝利したあとに彼女が目指していたチャンピオンベルトと同じピンク色の花を渡したらグッときてくれたみたいで、それからすぐに付き合うことができました。彼女には「次付き合う人とは、結婚を考えたいけどいいですか」と言われて、「いいですよ」と。

彼女のアスリート性に、今も惹かれ続けている。

当時はまだ25、6歳でしたけど、彼女に会うまではキックボクシング一筋でよかった。20歳の頃から恋人もいませんでしたし、特に遊ぶ気もありませんでした。恋人となる人は、練習や仕事、寝る時間を割いてまで会いたい人じゃないと意味ないなとと思っていました。そう思えるには、当たり前だけど顔だけじゃダメなんです。彼女が気になったきっかけこそ顔でしたが、惹かれるようになったのは、会話を重ねていくうちに、いつでも生活の軸となるものを持っている人だなと感じたことです。彼女がキックボクシングをしているときはそれが生活の軸だったので、全然関係ない話をしていても、どこかでキックボクシングにつながっていく。ライフスタイルの一部になっているんだなって。一所懸命さ、真面目さが伝わってきますよね。たまたま同じ競技をしていましたけど、別にこれが違う競技でも同じように好きになったと思います。僕はずっとスポーツをしている人を好きになってきたから、やっぱりそういうところに惹かれてしまいます。

今野顕彰さんと龍子さんの写真

出会ってから10年。彼女への気持ちは変わりませんが、好きでい続ける努力はしていますよ。それは無理に気持ちをつくることじゃない。僕の場合は彼女の一所懸命なところが好きだから、彼女が一所懸命でいられるような環境をつくること。もし僕のせいで彼女が好きなことに全力を注げなくなったとしたら、それはつまり、彼女の魅力を僕が奪ったことになる。そうならないように、彼女は今一番何に心が向いているのかを常に察知するように努めています。

戦うもの同士、口にしなくても分かり合える。

かつては同じ競技の選手同士。今は戦う場所は違えど、同じ場所に帰ってくる生活。二人の試合のタイミングが重なることもたまにあります。どちらもいい結果ならいいんですが、僕が負けて、彼女が勝つというときもある。負けたときはどうしたって一番ナーバスで、自分勝手な感情が出やすくなります。そんなとき、僕の気持ちを一番理解してくれていることがありがたいです。余計なことは言わずに、「大きな怪我をしなければいい」というスタンスで待っていてくれる。彼女もキックボクシングをしていたときは「もっと膝打てよ」とか言いたくなることもあったみたいですけど(笑)。そうした分かりすぎることのデメリットもあったかもしれませんが、今は全部乗り越えてきているのでメリットしか感じられないですね。

彼女の試合を見に行くことはありますけど、練習場所とかチームメイトのなかには入っていかないようにしています。そこは彼女がアスリートとして生きている世界なので、踏み入れないほうがいい気がして。僕が行くと、周りも気を遣うじゃないですか。選手としての「龍子」から、「今野さんの奥さん」になっちゃうのは、彼女もあまり嬉しくないんじゃないかなと思います。

彼女の最高の理解者でありたい。だから口も出してしまう。

出会ったときから彼女が口にしていた理想が、一つずつ叶っていることがすごく嬉しいです。実力もあるし、みんなを喜ばせたいという彼女の性格が、今につながっている。でも、もっと思いっきりやればいいのにと思うこともあります。オファーを頂いた仕事だけではなくて、もっと自分から仕事をつくっていける人だと僕は信じているので。だからついいろいろ言ってしまうこともありますが、彼女なりの考えもあるので8割くらいは受け流されます(笑)

今野顕彰さんの写真

でもそれも含めての旦那力だと思っています。彼女と日々話すなかで、彼女がやってみたいことや、どんな状態が理想なのかを一番分かっているのは僕なので、そこに近づけそうなチャンスがあると感じたら全力で向かわせたい。そのときは反発されても、いつか振り返ったときによかったと思える決断を後押ししたい。だからこれからも多分口を出し続けますよ。彼女はそういうときの対応がうまいので、「そうだね〜」って笑うだけのときもあると思うけど、めげません。どうですか?めっちゃいい旦那じゃないですか?

■今野龍子さんの記事

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