僕から見て妻は、常にポジティブ。目標に向かってコツコツ努力する姿勢が魅力的でした。やはり世界を舞台に活躍していたアスリートだからか、僕には無いものを持っているなと。

その一方で、物事の考え方や健康を意識した食事など共通点がいくつもあったので、親近感も持てました。

男性では珍しいほど健康に気を遣っていてオーガニックの調味料まで揃えていたんですよね。ただ、どんな栄養をどういうタイミングで摂取するのかがわからなかったみたいで、いろいろなアドバイスをしていました。

当時の夫は正社員で働いていましたが、仕事が終わってすぐに着替えてトレーニングする。アスリートでもないのに、社会人でここまでトレーニングを一生懸命頑張っている人って、なかなかいないなと感じていました。頑張る彼を見て、共に生きていくイメージが湧いていきました。

私はアスリート時代から常に健康的なライフスタイルを意識していて、「コンビニでご飯を済ませる人」、「タバコを吸っている人」、「ファストフードを食べる人」とは結婚できないと思っていました。

また、「仕事やスポーツはやめて俺だけに尽くしてくれ」「運動はするな」という考えの人との結婚もあまり考えられなかったと思います。

現役時代は1日の流れを自分のペースで考えていたので、引退してからも自分のやりたいことに挑戦し続けたいという気持ちが強かったんです。

さらに、私自身効率重視でかなりの綺麗好き。ここの価値観がずれていても、結婚は難しかったと思います。小さい頃から、いかにスケートの時間を長くできるかを考えていたので、とにかく早さや効率の良さを重視していました。

夫はすごく真面目で、ルーズなところがないんです。時間もきっちり。さらに、生活も健康的。性格やライフスタイルで相性が良かったんだと思います。

僕は結婚する相手には、結婚後もやりたいことをやってほしいと思っていました。妻は、結婚後もバリバリ己の道を突き進んでいるので、よかったですね。

あまりないですね。ジュエリーデザイナーの仕事ってなかなかイメージしにくいので、話してもあまりわからないかなと思って。

もちろん今の状況とかは話しますが、あまり干渉はしないでいてくれますね。

失敗したら失敗したで、また挑戦したらいいと思っているので、まずは悔いが残らないようにしてほしいですね。ジュエリーデザイナーになると言われたときはびっくりしましたけど、「どうぞ好きなことやってください」と。

その気持ちもわかります。でも自分に置き換えて考えてみると、指導者にやらされるトレーニングよりも、自分から積極的に行ったトレーニングの方が身になったという実感があります。これは人生も同じだと思うんです。

なので、マイナスなこともほぼ言わず、夫がゼロから頑張る姿を文句ひとつ言わずに見守りました。

僕はそもそも自分が束縛されるのが嫌いだから、相手も束縛しないというスタイル。妻とは束縛したり、束縛されたりということがないので、お互い好きなことに打ち込める。そういう意味でも相性が良いと思っています。

ただ、妻は結果を求められてきた元アスリートですから、当然僕にも結果を求めてきます（笑）

私は、お互いがやりたいことを持っていて、進むべき道が見えているのがうまくいっている理由かなと。正直私は私でやることがあるので、そんなに主人にかまっていられないというか（笑）

でも結婚ってただの幸せだけじゃなくて、大変なこともあります。アスリートをやっていた方が楽なくらい。アスリートの時は自分一人のことだけ考えて、結果を出すために必要なことを考え行動していましたが、結婚は相手、家族など全体的なバランスをみながら行動しなければいけないので大変です。さらに、今は子どもが2人いるので、子育てと仕事の両立で1日があっという間に過ぎていきます。

それでも、お互いがサポートしあって自分の進みたい道を進むことができているので、私たち夫婦はうまくいっているのかなと思います。

もちろん何事においても結果は大事で、夫にも求めてしまいます。ただ、プロセスがしっかりしていないと結果は出ませんから、日々の積み重ねがとても大切だと思っています。

 

子どもは8歳と6歳なんですが、子どものうちから運動、食事、芸術、自然などの本物を体験させることを大切にしています。そして、中学生になったらどんどん世界に出てほしいですね。

私自身競技を通して世界中を訪れ、たくさんの素敵な場所、人がいることを身をもって感じてきました。だからこそ、子どもにも世界に出ていろいろな価値観、人と出会ってほしいと思っています。

まずは挨拶です。挨拶はコミュニケーションの基本だと思っているので大切にしています。あとは自分で考えさせるようにしています。親の意見を押しつけるのではなく、なるべく子どもの意思を尊重するようにしています。

それから、なるべく早く海外に行ってほしいですね。グローバルな視点を持ってほしいですし、日本の常識が世界の常識ではないということを子どものうちから知っておいてほしいです。

私自身現役中の結婚は考えられませんでした。やはり結婚となると子どもができる可能性もあるので、競技生活が落ち着いてからじゃないとと当時は思っていましたね。

やはりアスリートとして結果を出すことを第一優先においていたので、結婚はなかなか考えにくかったです。

最近では現役中に結婚したり、子どもを産んでから復帰されるアスリートも出てきていますよね。たとえば選手同士だったり、競技との両立という目標を共有できる相手であれば、現役中でも結婚しやすいのかなというのはあります。

女性アスリートには、とことんやりたいことを追求してほしいです。

年齢やライフステージの変化で諦めなければいけないと思われがちですが、自分が動きたい、やりたいと思うならずっと続けてほしいです。

アスリートの恋愛禁止の風潮はまだ一部にはあるかもしれませんが、女性アスリートだって競技と恋愛同時に楽しんでいいと思っています。

私も現役時代付き合っていた方がいて、厳しい競技生活で心の拠り所になっていました。恋愛に依存してしまうと競技との両立が難しいかもしれませんが、うまくバランスをとって頼れる存在になれば競技生活にもプラスになると思います。