登坂絵莉が振り返る1年半の無月経。「ライフプランまで見据えた向き合い方を」【PR】

女性の健康をサポートすべく、オンラインピル診療サービスなどを展開するmederi株式会社。B&では、女性アスリートの抱える課題を解決するために、同社代表取締役の坂梨亜里咲(さかなし・ありさ)さんと女性アスリートとの特別対談企画を実施しています。

第4弾のゲストは、元レスリング日本代表で、2016年のリオ五輪で金メダルを獲得した登坂絵莉(とうさか・えり)さんです。現役中の2021年8月に出産し、2022年4月に引退しました。

1年半の無月経や生理不順、出産と引退を経て、当事者として登坂さんが伝えたいのは「自分の身体や生理に関する知識を正しく知っておくこと」と「育児を見据えたライフプランを複数もっておくこと」です。ご自身の経験と想いを伺いました。

1年半の無月経。妊娠できるか不安だった

ー登坂さんは、2020年の現役中に結婚、2021年8月に第一子を出産されました。現役時代の早いうちから、将来のライフプランは描いていたのでしょうか?

登坂
イメージはありました。高校生の頃から、東京五輪で金メダルを獲って、引退して出産することが夢だったんです。残念ながら出場は叶わなかったのですが…。
坂梨
計画的だったのですね。
登坂

周りでも不妊で悩んでいる方が多くて、高校生の頃から不妊の可能性を考えて行動しなければ、と思っていました。

ーでは昔からご自身の身体とは、しっかり向き合われていたのでしょうか?

登坂

実は思っていただけで、きちんと向き合えてはいなかったんですよね。毎日ハードな練習があって体調も日々変わっていくなかで、身体の不調は放っておくことが多かったです。生理の時に眠かったり腰が痛かったりしても、練習の疲れや試合のストレスのせいだと決めつけていました。
坂梨
アスリートは身体を酷使するからこそ、鈍感になりやすい、とも言えますよね。
登坂

その方がアスリートとしては「強い」のかもしれません。でもアスリートである前に一人の女性であることを見失ってしまうのはこわいです。

私自身、大学〜社会人にかけて1年半、無月経を経験しています。当初は「生理が来ないからラクだな」と思っていましたが、「こんな身体で将来妊娠できるのだろうか」と不安になることもありました。

あとは、減量時にも生理がよく止まっていました。試合の前日の17時ごろに計量があって、軽量をクリアしたのちに食事をとると19時ごろに生理が来るんです。そうなると試合の日はいつも生理2日目(※)でつらかったですね。
※生理期間は2〜3日目が最も経血量が多く、生理痛が重い場合が多い。

坂梨
無月経になって、婦人科は受診されたのですか?
登坂

はい。婦人科を受診し、血液検査や診察を受けましたが、特に問題は見つからず心理面からくる影響だろうと。ちょうど五輪の時期で、終わって実家に帰った日に生理が来たのでやはりストレスだったのかなと思っています。
坂梨
ご自身の意思で受診されたのですか?
登坂

一度不安に思ってしまうと競技に集中できなくなってしまうくらい心配性なので、思いきって行ってみました。今も、年に一回の検診は欠かさず受けています。先月は不正出血があって、その時も心配になって行きましたね。

婦人科に気軽に行っていい、ということを早めに知りたかったです。高校時代から生理不順などトラブルがあったものの、誰にも聞けない状態でした。小さな不安でも相談していい場所だ、と教えてほしかったです。

坂梨
生理について正しく知ったのは、いつ頃だったのでしょうか?
登坂

社会人になってからです。代表チームの合宿に婦人科の先生が来てくれました。それまではPMS(月経前症候群)という言葉すら知らない状態でしたね。

ピルも、ひとつの選択肢。

ーコンタクトが多いスポーツですし、競技中の経血漏れも気になりそうですよね。

登坂

いつも心配していました。ユニフォームが身体に密着するので漏れに気づく人もいたと思います。私はタンポンを使用していて出血量も少なかったので、目立つことはなかったですが。

ーピルは服用されていたのでしょうか?

登坂

社会人になって服用し始めてからは、重かった生理痛がかなり改善されました。もっと早くから飲みたかったのですが、減量への影響が出ないように「試合が終わってから飲み始めよう」と、婦人科の先生と相談して決めました。
坂梨
アスリートの方だと、なかなか長期間をかけて試してみることが難しいですよね。
登坂

そうなんです。でも実際飲んでみると、私の身体には合っていたなと。月経が来る期間を把握できましたし、痛みもやわらぎました。
坂梨
私も以前、過度なダイエットが原因で無月経になったことがあります。若い頃は「生理が来るとめんどくさい」と思う時期があると思いますが、自分の身体ときちんと向き合える大切な期間なんです。妊娠ができるサインのひとつでもありますし、放置しないでもらいたいですね。
登坂

練習中の合間に痛み止めを飲んで我慢している選手も多かったです。我慢するのが当たり前にはなってほしくありません。

ー現役時代、生理について相談する環境はありましたか?

登坂

なかったです。どうしても個人差があるので、指導者が全てを理解するのは難しい部分もあると思っています。直接話すことに抵抗を感じる選手もいるので、例えばアプリを活用するなど共有する方法も工夫があればいいなと。後輩から生理について相談を受けることがあるので、まだまだレスリング界での体制は整っていないように感じています。
坂梨
後輩へ伝えていきたいことはありますか?
登坂

私と同じように悩んでほしくないので、自分の経験を伝えていきたいです。ネット上にたくさん情報はありますが、経験者の声の方が現役選手には響くかなと。

あとは、体調が悪くなったときに疲労やストレスのせいにせず、きちんと原因を追求することが大切だと感じています。特にレスリングは、根性論が強い環境にあると思います。月経異常が骨粗鬆症などのリスクを高めるといった記事を拝見したこともあるので、身体のことは精神論で済ませないようにしてもらいたいですね。

育児まで見据えたライフプランを複数もっておく

坂梨
出産後も大変なことが多いと思いますが、不安になることはありますか?

というのも、私自身子どもが生まれたらどうなるのだろうと思うことがあります。どのような形で仕事が続けられるのだろう、夫との育児のバランスはどうなるのだろう、と。いろいろなピースをうまく組み合わせなければ子育ては成立しないので、早めのうちから考えておく必要があるなと思っています。

登坂

小学校に入るまでは誰かに子どもを預けなければ、なかなか自由な時間がとりにくく、今まで当たり前のようにしていたことができなくなりますよね。その中で、みなさんどのようにされているのかは気になります。私の場合、母が子どもを預かってくれたり、夫も家事育児に積極的に参加してくれるおかげで、仕事とも両立することができています。自分自身が育児をしながら、どのように活動していきたいかを考え、夫婦で話し合い、すり合わせをしていくことが重要だと感じました
坂梨
自分だけの生活ではなくなりますし…かなり大変ですよね。
登坂

想像以上にフットワークが重くなりました。保育園に預けていても、急な発熱があればお迎えにいく必要があります。
坂梨
ママって、ある意味ディレクターですよね。家族をどう動かすかを考えなければいけません。
登坂

ミルクをあげる行為ひとつにしても、前後の準備や片付けにも時間を割かなければいけないんです。ただあげる時間だけじゃないんだよと、夫と言い合いになったことがあります(笑)。

ー引退を決意された時は、どのようなお気持ちだったのですか?

登坂

怪我が決め手でした。産後復帰も考えていたのですが、症状が改善されない中で、育児とのバランスも考えると難しいなと思い決断しました。

でも、なかなか気持ちを切り替えられませんでした。東京五輪中に出産しましたが、試合を観戦するのもつらかったです。今でも悔いなくやりきったとは思っていません。いちばん良い状態で引退するのは、難しいことだと痛感しました。

坂梨
レスリング界では、出産後も競技を続けられている選手はいますか?
登坂

過去にも数人はいらっしゃったと思います。直近ではリオ五輪と東京五輪で金メダルを獲得している金城(旧姓:川井)梨紗子選手が、産後半年くらいで復帰しています。

出産後には身体の変化もあり、以前と同じようには動けないこともあるのではないかと思います。育児との両立も簡単なことではないと思いますが、また競技の舞台に戻ってきて戦う彼女の挑戦自体が素晴らしいことだなと感じています。このように「出産=引退」という道だけでなく、いろんなライフプランを視野に入れながら選択していけるといいですね。

坂梨
アスリートこそ、早めの段階で結婚や出産を含めたライフプランをイメージできるといいなと。その上で妊娠適齢期を踏まえて、引退と出産をどうしていきたいのか考えてほしいです。そのためにも正しい知識をもって自分の身体や生理、不妊について知っていただきたいなと思っています。

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