適正脂質量とおすすめ献立を提案するFAT ADAPT。スポーツ女子の脂質改革

スポーツ女子にとっての脂質の重要性を考えていくシリーズ、『スポーツ女子の脂質改革』。脂質の重要性がわかったところで、適正量と摂り方を考えていきましょう。今回ご紹介するのは、身長や体重などの情報を入力すると、目安となる一食の糖質量と脂質量を示してくれるサービス「FAT ADAPT」。しかも、おいしく脂質とたんぱく質を摂取できるレシピも探せてしまうんです。

ファットアダプトという考え方

ファットアダプトとは「糖質摂取量を一定量に抑えて、タンパク質と脂質を積極的にとる」という食事法のこと。この食事法を続けることで、体脂肪をエネルギー源にする回路を作っていくことができます。

それまでアスリートの食事法の多くは、糖質をエネルギー源とすることを前提としたものでした。しかし、体質の確認と適正な管理なく糖質を過剰に摂取すると、食後の高血糖が起こりやすく、急激な血糖値上昇と急降下が起きる、血糖値スパイクの状態が起こります。

これは食後の急激な眠気やだるさ、疲労感につながります。また、血糖値が下がる際、からだが飢餓状態に陥らないように体脂肪を溜め込むメカニズムが働くため、ダイエットや減量という観点でもマイナスです。

ファットアダプト食事法では、一食の糖質量を抑えるかわりに、糖質同様に運動時のエネルギーとなる脂質の量を増やします。脂質は糖質に比べると、エネルギーになる速度は遅いものの、その分長時間の運動時、糖質が切れてくる後半にパワーに変わってくれます。この仕組みを利用し、脂質をエネルギー源として安定的に燃やせるからだをつくっていくことで、体脂肪の減少にも効果があると言われています。

プロサッカー選手の体験がもとに

男子サッカー日本代表として3度のW杯出場を果たした長友佑都選手は、豊富な運動量を強みにしています。出場試合数は3大会で11試合と日本人選手最多ですが、そんな長友選手も怪我に苦しむ時期がありました。

もともと食事へのこだわりが強いことでも知られている長友選手は、当時も食事内容の改善に取り組んでいる最中でした。大好きなパスタや白米、スイーツを控え、ストイックな糖質制限を行っていましたが、エネルギー不足や瞬発力の衰えなど、運動パフォーマンスの低下に悩んでいたといいます。そんなとき専属のシェフと出会い、医師の監修もふまえて今までの糖質制限に改善を加え、完成したのが、ファットアダプト食事法です。

ファットアダプトメソッドを取り入れやすくする「FAT ADAPT」

脂質、タンパク質を十分にとるため、空腹感もなく、エネルギー切れにもならないうえに体脂肪も燃やせる。メリットづくしの食事法にも聞こえますが、単純な糖質制限ではないだけに、一般の人が始めるには少しハードルが高い食事法です。

なぜなら、「自分の血糖値をあげない程度の糖質量」を見極めるのが非常に難しいからです。食後血糖値を測る機械も売られ始めていますが、毎日の測定と糖質量の調整はなかなかにハードです。

そんなときに、まずは自分の身長と体重、運動強度から、目安となる糖質、脂質量を示してもらえれば最初の一歩が踏み出しやすくなりますよね。

このファットアダプト食事法を、一般の人にも広めるために生まれたのが「FAT ADAPT」というサービス。長友佑都選手の食事法にアドバイスをする山田悟医師と、専属シェフの加藤超也さんの監修のもと、生まれました。

https://cuore-fatadapt.com/

右上のメニューから新規登録をすると、一食の栄養の摂取目安が出てきます。

162cm/52kg、身体活動レベル一般での目安がこちら。

さらに「すべての栄養素をみる」をクリックすると、一食分のカロリー、ビタミン、食物繊維、ミネラル類などの摂取目安がずらっと表示されます。

このなかから、気になったレシピの写真をクリックすると、詳しい作り方が表示されます。

「献立を作る」を押すと、自分の一食分の摂取目安に合わせて、その料理を使った献立が提案されます。

鶏レバーステーキを選択すると、副菜とデザートを組み合わせた献立を提案してくれました。

一部の料理によっては、自分に合う献立がないケースもあります。すでにその料理だけで必要な栄養素がいっぱいになってしまっているからではないかと考えられます。

このあたりは自分の判断でそのほかの食事と組み合わせられるようになるといいですね。

FAT ADAPT 監修者

このサービスを監修、アドバイスを行っているのは、まさに長友選手の食事の悩みを解決したお二人です。

■FAT ADAPT レシピ監修者

加藤 超也 シェフ

2016年に株式会社Cuoreに入社し、長友佑都専属シェフに就任。

長友佑都がインテル・ミラノに在籍時はイタリアのミラノに住んでサポートに従事。現在は、ガラタサライへの移籍と合わせてトルコのイスタンブールに移り住み、2018-19シーズンの長友佑都の2連覇と2冠に貢献。昨今では日本含め、イギリス、フランス、ベルギー、オーストラリアなどを行き来しながら、サッカーのみならず様々な競技のトップアスリートへの食事指導を開始している。

Instagramはこちら

 

■長友佑都のファットアダプト食事法の監修者

山田 悟 医師

一般社団法人食・楽・健康協会理事長
北里大学北里研究所病院糖尿病センター長
医学博士

糖尿病専門医として多くの患者と向き合う中、カロリー制限中心の食事療法では、食べる喜びが損なわれている事実に直面。患者の生活の質を高められる糖質制限食に出会い、積極的に糖尿病治療へ取り入れている。

自分にベストな脂質量を見つけていこう

適正な糖質・脂質量は、人によって違うもの。運動の種類や強度、頻度によっても変わります。さらに、一食のなかの糖質とのバランスを見て考えていかなければいけません。

目安となる数値をもとに、食後に眠気がくるかどうか、といった自分の感覚を頼りにしながら、一番しっくりくる食事のバランスを見つけていきましょう。

【参考書籍】

参考:長友 佑都(2019年)『長友佑都のファットアダプト食事法 カラダを劇的に変える、28日間プログラム』 幻冬舎

参考:長友佑都の細胞を蘇らせたファットアダプト食事法とは?

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