生理前後の運動パフォーマンスを管理する、アメリカ発の2つのアプリ

ワークアウト女子がアプリを使っている様子の写真

スポーツ女子の中には、月経に伴う運動パフォーマンスの低下を感じたことのある人も多いはず。気分が重い、頭痛や生理痛がひどい・・・などの症状は、女性アスリートのパフォーマンスに大きく影響を及ぼします。

2016年の研究によると、トップレベルの女性アスリートの過半数において、月経によるホルモンバランスの崩れがトレーニングや運動パフォーマンスの低下を招いていることを示しています。
運動する女性にとって生理は共通の課題ではありますが、自己管理の制度を高めてパフォーマンスの変化を「想定内」にすることで、安定したトレー二ングを行うことができます。

トップアスリートをも悩ます生理。月経周期に基づくパフォーマンス管理を

2019年7月、女子サッカーW杯でアメリカ代表が優勝を勝ち取りました。その優勝に大きく貢献したのが、選手一人ひとりの月経周期に基づく緻密なパフォーマンス管理です。

一人ひとりの月経周期を記録し、それに応じた適切なトレーニングの負荷やダイエットを取り入れたことで、女性アスリートの月経に伴うパフォーマンスの低下を防ぐことに成功したのです。

これまで、女性アスリートの多くが、このような女性ならではの悩みをコーチやチームに話すことをためらってきました。だから、重要な問題であるにも関わらず、タブー視されることも少なくありませんでした。

しかし、このような悩みを解決するために、様々なアプリが誕生しています。アプリなら、入力されたデータを共有することで、指導者も月経周期を考慮したトレーニングメニューを考案できます。

「月経周期×健康」管理アプリ

Clue

今回米国に本社を構えるBioWink GmbHが新たに開発した健康管理アプリ“Clue”では、個人個人の健康状態やトレーニングに関する情報をまとめて記録し、睡眠や月経周期とも連動させることができます。これによって、月経周期のそれぞれの段階と個人の健康状態に応じて、トレーニングメニューの内容や負荷を考えて調整することができるようになりました。

アプリ「Clue」で運動状況を記録している様子の画像引用:Clueアプリ画面

アプリ「Clue」で活力の有無を記録している様子の画像引用:Clueアプリ画面

アプリ「Clue」で睡眠時間を記録している様子の画像引用:Clueアプリ画面
このように、運動状況・活力の有無・睡眠などの健康状況を日々記録することができます。

トラッキングできる項目数はかなり多く、月経とともに感じる痛み、摂取した薬、その日の気分、食欲、体温など、25項目を超えています。自分の必要に応じて項目を選択して記録でき、自分の健康に関する情報を1つにまとめることができます。

FitrWoman

その他にも、米国スポーツ系IT会社のOrreccoが開発したアプリ“FitrWoman”では、月経周期の各ステージで感じた症状やトレーニング内容を記録することで、一人ひとりの状態に応じた栄養や生理学に関するサポートやアドバイスを受けることができます。

こちらは日本でも無料でダウンロードできます。特に栄養に関しては、必要な栄養素や手軽に作れるレシピ案まで掲載されており、とても便利です。また、 “Latest Insights”(写真1枚目上部分)は、いわゆるInstagramのストーリー機能に近いフォーマットで、テーマ別に女性アスリートにとって嬉しい知識やニュースを教えてくれます。

アプリ「FitrWoman」で月経周期の現段階の状況を確認できる画面の画像引用:FitrWomanアプリ画面
月経周期を4つのステージに分けた場合の現段階の状況を把握できます。

アプリ「FitrWoman」で月経ステージに応じた、適切なトレーニングや栄養に関する情報を確認できる画面の画像引用:FitrWomanアプリ画面
月経ステージに応じた、適切なトレーニングや栄養に関する情報が掲載されます。

月経ステージに応じ、その時に摂取すべき栄養素や、それに合わせたレシピが確認できる画面の画像引用:FitrWomanアプリ画面
月経ステージに応じ、その時に摂取すべき栄養素や、それに合わせたレシピを見ることができます。

女性アスリートの誰もが直面する課題を今、ITの力が解決しようとしています。

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