カバディをメジャーにしたい理由。日本代表・坂本夏実

初めまして!カバディ女子日本代表の坂本夏実(さかもと・なつみ)です。

突然ですが、皆さんは「カバディ」というスポーツをご存知ですか?

いろんな方に質問すると……
「聞いたこともない!一体何!?」
「聞いたことはあるけどルールは知らない!」
「マンガで見たことある!やってみたい!」
と認知度はまちまち。

私も最初は「カバディ」を何も知らず、「カバディと連呼する謎のルールがある」ことだけを知っていました。鬼ごっことドッジボールを融合したような独自のルールのあるスポーツです。

そんな私でしたが、今は「カバディ日本代表」として日の丸を背負い、世界に挑もうとしています。私にとってカバディ抜きの人生など考えられません。それほど毎日カバディの事ばかりで頭がいっぱいです。

さて、一体どういう経緯で私がカバディ一筋になったのか、皆さん知りたくなってきましたね?今回はカバディとの出会いから、どのようにのめり込んでいったのか、カバディの魅力など、私のカバディライフを赤裸々にお伝えしていきます。

 

道具を使わないのに、奥深い…!カバディとの出会い

出会いは大学1年生の春でした。サークルや部活、何かに入って充実した学生生活にしようと見学してみたものの、私はどれもピンと来ず路頭に迷っていました。

そんな時、仲良くなったばかりの友達に「カバディ部の見学に行こうよ!新入生歓迎会で焼肉も食べれるらしいよ!」と言われ、「(興味ないけど、焼肉食べたい……)いきます!」と見学することに。

いざ体育館に入ると、青と赤のマットが敷かれたフィールド、ガタイのいいマッチョな先輩、JAPANと書かれたジャージを着ている先輩がいました。すごい空間に足を踏み入れてしまったと思いましたが、もう外には戻れず体験会がスタート。

先輩たちはカバディの簡単なルールや技を紹介し、本物の「カバディ」を見せてくれました。私はサッカーやバレーボールなど球技を主に経験してきたので、「道具を使わず、これだけ面白いスポーツなんて他にあるだろうか」と徐々に惹かれていきました。

中でも先輩たちが真剣に「カバディ」と唱えながら、タッチする姿はとても印象的でした。私は大声で騒ぐものだと思っていたので、イメージとギャップがあり驚きました。

最後に「1年生もやってみよう!」ということで、とても恥ずかしがりながら小さな声で「カバディ」を唱えながら人生初カバディをしました。一度やったら面白くなり、気がついたら時間がくるまで何度もやらせてもらいました。その後すっかりカバディの虜になった私は、たらふくの焼肉をいただき、カバディ部に入部しました。

写真提供:一般社団法人 日本カバディ協会

絶対にハマる「カバディの魅力」とは?

カバディの魅力はたくさんあって、語り尽くすには数時間かかりますね……。

強いて一つを挙げるなら、「個人競技」と「チームスポーツ」の良いとこ取りだということです。

カバディは1チーム7人で行い、試合時間は15分ハーフで行います。7人のうち一人が敵陣に入り、「カバディ」を唱えながら、敵の誰かを触りにいきます。鬼ごっこの鬼のような感じです。

タッチできたら自陣に帰り、相手に捕まえられずに生還すると得点が入ります。この鬼ごっこの鬼、すなわち攻撃のことを「レイド」と呼びます。レイドは動き回りながら、相手を動かし、相手を崩して触りにいきます。触り方もハンドタッチから足技(キック)などもあるので、どの触り方がいいか戦略を練りながら、動いて触りにいきます。

自分で考えながら、相手を見て最善策の技を取捨選択しながら、自分のテクニックを使ってプレーするので、陸上やフェンシングなど個人競技のマインドと似ています。

一方、守りは「アンティ」と言って、チームスポーツの要素が満点です。アンティはタッチしにきたレイドを捕まえるか、コートの外に押し出すと得点になります(相撲みたいなイメージです)。

相手を捕まえにいきたいものの、触られてしまうと失点になるので、チームで息を合わせて捕まえにいく必要があります。そのため仲間とのコミュニケーションがとても大切です。また、一人が捕まえるのに失敗しても、駆けつけた仲間が捕まえれば、アンティの得点になるので助け合いも重要になってきます。アンティはみんなで連携して得点するシーンが多く、バレーボールやサッカーやバスケのような、チーム一丸となって行うスポーツとよく似ています。

それぞれのチームが、攻撃「レイド」と守備「アンティ」を入れ替わり行い、試合終了時に得点の高い方が勝ちになります。その他、人数増減やスーパータックルなど、得点変動する面白いルールがたくさんありますので詳しく知りたい方はYouTubeでルール解説動画をご覧ください!

写真:本人提供

 

シンプルなのに奥深い「カバディの沼」

そんなこんなでカバディを始めて9年目になる私ですが、どうしてこんなにカバディの虜になっているのか。それはこの競技の特性、シンプルなのに奥深いという「カバディの沼」に囚われているのが理由です。

先述したとおり、カバディのルールは「タッチする」か「捕まえる」かというシンプルな構図です。しかし、いざ「捕まえる」プレーをしてみると、どのポジションからどのように捕まえたらいいか、どのタイミングで技を出すのか、相手との駆け引き、仲間との連携などなど、1シーンでも考えることがいっぱいです。

同じ相手がレイドに来るときもあれば、違う相手の場合もありますし、試合の残り時間で、逃げ切るか、得点を狙うかなど、プレーの方法も変わってきます。その場の状況判断と、全体的な戦術判断は、まさに千差万別です。

見た目はシンプルでも、そこにはいくつもの選択があり、とても頭を使います。その分、良いタイミングで正しい選択ができたときはたまらなく嬉しいのです。そして自分のテクニックがチームの大事な得点になるとさらにたまらなく嬉しいです。

さらにプレーするだけではなく、カバディは見るのも楽しいスポーツです。
男子と女子で、全く違うルールがいくつかあります。

・コートの広さ
男子コートは女子コートより一回り大きい

・体重制限
男子85キロ、女子75キロ
ボクサーのように男子も女子も試合前に計量します

・試合時間
男子20分、女子15分ハーフ

タックルを使って相手を捕まえたり、レイドは捕まえられないようにもがいたりするので、特に男子では格闘技のようなパワフルなプレーが目立ちます。

女子は男子コートよりも狭く、レイドが得点しやすいため、得点が動きやすいです。ある程度の点差があっても、巻き返せることがあったりと、試合展開がどんどん変わっていくので目が離せなくなります。プレーすることはもちろん、試合を見ることもとても面白いので皆さんにもぜひ生のカバディを見に来ていただきたいですね。

 

マイナースポーツ界のメジャースポーツではいられない

ここまでカバディの魅力を熱く語ってきたものの、「カバディ」の名前を聞いたことがある方は多いですが、実際に競技生活を始める人はごく僅かで、さらに日本代表を目指す方はごくごく僅か。

マイナースポーツの中では認知度があるほうじゃない?と言われはしますが、知られていても人数が増えて、盛り上がっていかなければ、マイナースポーツの壁は越えられません。

ここ数年は「灼熱カバディ」がアニメ化され、男子選手はどんどん増えていくものの、女子の競技人口は減少傾向にあります。毎年行う全日本大会でも男子が20チーム近くあるのに対し、女子は全国でなおかつ関東圏のみで4チームとその差は顕著にあらわれています。

カバディの一番大きな国際大会であるアジア大会も人数不足や結果不振が理由で、女子は派遣されずに男子のみが派遣されることが決定されており、女子カバディ界は大きなピンチに直面しています。

このピンチをチャンスに変えるべく私は競技生活の傍ら、数年前からSNSでの広報活動を始めました。まだまだ少数ではありますが、私のSNSをきっかけに体験会に参加し、カバディを始めた選手たちが練習を積んで代表候補に選考されています。

2026年には愛知でアジア大会が開催されるので、そこに向けて日本代表で活躍できる選手をどんどん増やしていきたいところです。今は東京や横浜など女子チームは関東圏にとどまっているので、全国に出張カバディ体験会を積極的に行なって、競技人口とチーム数を増やしていきたいですね。

特に高校生や大学生の皆さん!カバディを始めましょう!学校や部活など学生生活の一幕にカバディもいいですね。毎年体育の授業などでカバディ普及を行なっていますが、実際に競技を継続してもらえるような環境づくりも整えたいところです。

 

カバディをやってみたい!と思ったら

カバディ協会主催の体験会が月に1度開催されております。少しでもカバディに興味を持った方、ぜひ体験会にいらして下さい!

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