女子アスリートを悩ませる「冷え」と生理痛について。岩清水梓×髙橋怜奈(産婦人科医 )【PR】

冷えに悩まされる女子アスリートが、意外と多いことをご存知でしょうか。アスリートは体脂肪率が低く、寒い場所での活動が多いためです。冷えは血流の悪化、さらには生理痛の悪化にも繋がります。しかし「冷えるのはよくない」と知りながら、正しい対処の仕方を知らないアスリートは多いのではないでしょうか?

今回は、元プロボクサーで産婦人科医の髙橋怜奈(たかはし・れな)先生と、日テレ・東京ヴェルディベレーザでプレーし、産後復帰を経験した女子サッカー 岩清水梓(いわしみず・あずさ)選手に、冷えが生理痛の悪化に繋がる仕組みや生理痛との正しい向き合い方について語っていただきました。

本企画は大型スポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」が展開する吸湿・発熱素材「HEAT-X」のPR施策として実施しています。「HEAT-X」は、身体から発散される水分を吸収して熱を発する吸湿発熱素材です。衣服内の湿度を抑え、常にドライで快適な状態を保ちます。

「冷え」が生理痛の悪化に繋がる仕組みとは?

ーまずは髙橋先生、冷えが血流の悪化さらには生理痛の悪化に繋がる仕組みについて教えてください。

髙橋先生
生理とは、子宮内膜が剥がれ落ちて、経血とともに体外に排出される現象です。冷えによって血流や代謝が悪くなると、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという痛み物質の代謝が悪くなり、痛みが持続してしまうんです。冷えるとお腹周りの筋肉も硬直するので、より痛みを感じやすくなります。
※プロスタグランジン:子宮を収縮させ、妊娠しなかった場合に不要になった子宮内膜を血液と共に体外に押し出す働きをします。
岩清水さん
生理痛でお腹が痛い時にホットパックなどで温めていますが、合っているんですね。
髙橋先生
いいと思います。筋肉を温めて交感神経を落ち着かせ、血流をよくすることが痛みの緩和に繋がります。軽い有酸素運動でも血流がよくなるので、動けるなら取り入れてみてもらいたいです。

髙橋先生
とはいえ、温めることは一時的な対応にすぎません。私自身プロボクシングの世界にいた時に、生理痛で練習を中断してしまう女子選手を多く見てきました。もっとアスリートに、正しい知識をもって生理と向き合っていただきたいと感じています。

1週間の生理期間と前後の不調を考えると、半月近く影響を受けることになります。パフォーマンスや成長に大きく関わってくるので、生理痛は「当たり前にあるもの」と思わず、きちんと対応していただきたいですね。

岩清水さん
たしかに、特に若い選手は正しい向き合い方を知らないと感じることが多々あります。どういった対応方法があるのかをきちんと把握することで、より良いパフォーマンスに繋がると感じています。

冷え対策には『HEAT-X』。岩清水さんと髙橋先生も着用!

「スーパースポーツゼビオ」が展開する吸湿・発熱素材「HEAT-X」。身体から発散される水分を吸収して熱を発する吸湿発熱素材です。衣服内の湿度を抑え、常にドライで快適な状態を保ちます。今回取材したお二人にも、「HEAT-X」のインナーと靴下をご着用いただきました!

<お二人の着用商品>
岩清水選手ご着用

髙橋先生ご着用

髙橋先生
靴下も薄手インナーも、今着用しています!
岩清水さん
私も!かなり肌触りがよくて、気持ちいいです。これは私服に着ちゃうな……(笑)。

コンプレッションインナーは、これ1枚と長袖があれば十分外で練習できます。練習中は裏起毛だと暑くなってしまいますが、熱がこもる感覚がなくてありがたいですね。

髙橋先生
昨日は薄手インナーを着て寝たのですが、1枚でとても暖かったです。いつも上に着ているモコモコがいらないくらいでした。

生理痛を放置せず、正しい知識をもって向き合う重要性

ー具体的に生理痛との正しい向き合い方とは、どういったことが考えられるのでしょうか?

髙橋先生
鎮痛剤をうまく服用したり、低用量ピルを使ってコントロールする事も、ひとつの選択肢です。生理周期を把握し、痛みの時期などを予想しておくこともコンディションを整える上で重要です。

<ピルがどのようなものなのか、またアスリートが気になりがちなピルのリスクについては、こちらの記事で髙橋先生がご紹介!>

岩清水さん
私は、痛くなる前に鎮痛剤を飲むようにしています。生理に伴う自分のコンディションは把握できていますし、付き合い方がわかっているからこそ、長く競技を続けられているのかなと。
髙橋先生
いいですね。鎮痛剤はかなり痛くなってから飲む方も多いですが、早めに飲んでおくほうが効果を期待できます。体温が下がるのでは、飲みすぎると効かなくなるのではと不安になる方もいますが、問題ありません。効かない場合や生理のたびに飲む必要がある場合は、月経困難症といえますし、子宮内膜症などの病気の可能性もあるので産婦人科を受診していただきたいです。

ー子宮内膜症とはどのようなものなのでしょうか?

髙橋先生
子宮内膜またはそれに似た組織が、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患です。月経時に子宮内膜以外の場所で出血して、血液が排出されずにプールされたり、周囲の組織と癒着をおこして痛みをもたらします。将来の不妊に繋がりますし、卵巣がんの原因になることもあります。

生理の回数や量が多い方、あと初経が早い方が子宮内膜症を発症しやすいと言われています。昔は生理の回数が一人あたり生涯で50回だったのに対して、今は450回まで平均が上がっているというデータもあります。ある意味、現代病とも言えるんですよね。

ー婦人科医には、どのくらいの頻度でかかるのがいいのでしょうか?

髙橋先生
2年に一度の定期的な子宮頸がん検診と併せて、超音波検査を受ける事をおすすめします。月経困難症や慢性骨盤通のある思春期女子に腹腔鏡でお腹の観察をしたら、3分の2の人に子宮内膜症が見つかったという論文もあるんです。超音波検査では発見しづらい場合があり、子宮筋腫など他の病気の手術の時にたまたま子宮内膜症が判明した、というケースもよくあります。ですので、生理痛があるという事自体で、仮に超音波検査で明らかな異常がみられなかったとしても、すでに治療の対象になります。

ーその他、特にアスリートが意識するべきことはあるのでしょうか?

髙橋先生
エネルギーの消費量が多い分、しっかりと食事で栄養をとることが求められます。栄養計算をして把握することが大切です。このバランスがとれていないと、生理不順や無月経に繋がる可能性があります。

生理は、妊娠や出産のために必要な現象です。身体が「妊娠している場合でない」と判断すれば、生理が止まってしまいます。生理がきちんと来るということは、健康な身体である証拠です。

また、骨密度の最大値は20歳がピークだと言われています。10代のうちに過度な体重制限などをして生理が止まってしまうと、骨密度が最大値に達さず取り返しのつかないことになります。

母親×アスリートとして「できる範囲で、ベストを尽くす」

ー岩清水さんは2020年3月に出産し、その後現役へ復帰しました。出産前後で、どのような身体の変化を感じられましたか?

岩清水さん
いちばん感じたのは、分娩時に生じる骨盤底筋の緩みです。骨盤底筋は骨盤の底にあり、子宮や膀胱、直腸などの腹部臓器を支えている部分です。競技中に不可欠な腹筋もこの上にあるので、骨盤底筋を安定させることが最優先でした。

でもトレーニングはかなり地味で……「早くサッカーがしたい」とずっと思っていました(笑)。振り返ると、基礎的なリハビリはとても重要だったなと感じています。

あと、生活の中に育児が入ることで環境が大きく変わりました。これまではサッカー選手としての自分を第一に考えていましたが、出産後は子供が最優先。夜中に泣いていたら起きなければいけないし、保育園への送迎も必要です。

出産前と同じようにコンディションを整えることはできないので、「これくらいできれば大丈夫」と捉えるようにしていました。神経質になりすぎるとしんどくなってしまいます。できる範囲で、自分の中のベストを尽くそうと取り組んでいました。

ー以前と比べず、上手く切り替えられたのですね。

岩清水さん
親としての自分が第一で、次にアスリートとしての自分がいます。状況は変わりましたが、おかげさまで生活が充実しているし、サッカーがより楽しくなっています。
髙橋先生
練習メニューを個別で調整することもあったのでしょうか?
岩清水さん
チームとして勝ちを目指す以上、練習内容の調整は難しかったです。「今日はめちゃくちゃ眠い…..」という日など、状況に応じて、調整をしていました。保育園へ送ってから練習へ行くまでに仮眠をとったり、上手く休みをとるようにしていましたね。

ー出産後も競技を続ける選択肢があることを、岩清水さん自ら示されていると思います。

岩清水さん
代表入りした際に、宮本ともみさんがお子さんを連れて合宿に参加されていたんです。その姿を見ていたので、産後復帰という選択肢も視野に入れるようになりました。身近にそういった方がいたのは大きかったですね。私も、「イワシさん(岩清水選手の愛称)みたいに」と若手選手が思ってくれたら嬉しいです。

髙橋先生
復帰にあたって、助けられた支援などはありましたか?
岩清水さん
以前、保育園を営む「ポポラー」さんがユニフォームパートナーとしてチームを支援してくれていたんです。育児への不安がなかったのは、復帰を目指す上で大きな後押しがあったからだと思っています。「俺らがみているから、頑張ってきな」と言っていただいて、安心して練習へ行くことができました。

出産前から「ママさんアスリートを目指したい」と話していたこともあり、クラブがサポートしてくれたのもありがたかったです。試合がある日曜日は、保育園が空いていません。息子も会場に連れて行く必要があるのですが、快く受け入れてくれました。

髙橋先生
岩清水選手のように、周囲へ積極的に話しておくことも重要ですね。

ー最後に、スポーツを続ける女性へのメッセージをお願いします。

髙橋先生
生理前から含めると、一か月のうち2週間くらいパフォーマンスが下がってしまいます。生理痛やPMSを当たり前と捉えずに、医療に頼っていただきたいですね。
岩清水さん
妊娠や出産を経験しても競技を続ける選択肢がある環境が大切だと思っています。どうしても、一人で復帰を目指すことはできないんです。選手をサポートする体制や仕組みが整っていってほしいですね。

この日の対談後、髙橋先生もパスに挑戦!

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