妊娠する力は35歳から急降下…!? 競泳元日本代表・伊藤華英が驚いた「年齢と卵子数の関係」<mederiセミナーレポート前編>【PR】
オンラインピル診療サービスを展開するmederi株式会社が、「女性アスリート向けの生理、PMS時のメンタルケアについて」をテーマにセミナーを開催。競泳元日本代表の伊藤華英(いとう・はなえ)さんをお迎えし、mederi代表・坂梨亜里咲(さかなし・ありさ)さんと共に、生理、PMSをはじめとした女性特有のヘルスケアやメンタルの悩みについてお話しいただきました。
今回は、セミナーの模様を前後編に分けてお届けします。
目次
月経と重なった「初めてのオリンピック」
今回お話を聞かせていただく伊藤さんは、みなさんご存知の通り、競泳界の第一線で活躍されていました。現役時代はオリンピックや世界選手権など様々な大会に出場され、引退後はピラティスの指導者資格や早稲田大学で修士、順天堂大学大学院で博士号を取得。現在は、「生理×スポーツ」の課題解決を目指すべく一般社団法人スポーツを止めるな『1252プロジェクト』のリーダーも務められています。
まずは伊藤さんに、キャリア、ライフイベント、メンタルの3軸で現役時代を振り返っていただきましょう。中学、高校時代からいろいろな大会に出場されているかと思いますが、この頃は、メンタルも上り調子といったところでしょうか。
トップアスリートを目指す方は、基本的に小さい頃から大きな目標を立てて競技に取り組んでいると思いますが、私は全く考えていませんでした。周りに志の高い仲間が多く、彼らについていけないという気持ちもあったからだと思います。
試合が終わった時に、コーチから「今、どんな気持ち?」と聞かれ、「すごくほっとした」と返したら、「それがプレッシャーだよ」と言われたことを覚えています。なぜ水泳をしているのかを、考え始めた時期でもありますね。
アテネオリンピックの選考会は、「逃げたい、帰りたい、辞めたい」とずっと思っていたので結果はやはりついて来ませんでした。(笑)。
それは、月経時の自分のコンディションを知らなかったからなんですよね。調子が悪くなると勝手に思い込み、プレッシャーを感じて自分をコントロールできませんでした。
引退といえば忘れられないのが、2012年10月に現役最後のレースとして出場した国体です。100m自由形の決勝で飛び込んだ瞬間に、ゴーグルが取れたんです。競技人生でそんなアクシデントは初めてでした。
視界が見えず、結果は5着。こんな引退レースってあるのかなと。みんなには「悔いが残って辞められないんじゃないの?」と言われましたが、自分としては清々しく、私らしい終わり方だと思いました(笑)。いつもなら怒られますが、コーチも何も言わなかったですね。
また、『1252プロジェクト』のリーダーのほかに、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員にもなられています。このようなキャリアプランは計画的だったのでしょうか?
順天堂大学大学院へも、早稲田大学で修士号を取った時点で「もう絶対勉強しない」と思っていましたが、誘って頂いたので進学を決めました。その環境に行ってみると、インプットは楽しくて、学ぶことが好きだなと感じました。この期間はすごく充実していましたね。
ただ、子供は欲しいと思っていました。しかし、1年ほどはなかなか妊娠には至らなかったですね。ようやく妊娠することができ、今は子育て中心の生活を送りながら、自分のできる範囲でお仕事をさせていただいています。
不安、落ち込み、イライラ…「月経前の不調」の原因と対策
当時は、女性であれば月経があり、それを自分で対処することも当然という感覚でした。ですから、月経の悩みは婦人科へ行くほどのことではない、むしろ行ってはいけないとすら思っていたんです。
ですからメンタルのセルフケアは、ほぼできなかったです。フィジカル的なケアは、週3、4くらいやっていました。しかし、チームメイトは男性が多かったので、「声をかけないで」と言うくらいでした。とはいえ察してくれていたので、恵まれていたと思います。
「生理やPMS(月経前症候群)の悩みをコーチに相談するか」と言う質問には、全体のうち約65%の方が「いいえ」と回答しています。「PMSの症状について」を問うと、1位が「腹痛」、2位が「体のだるさ」、3位が「イライラ」となりました。
これらは、アスリートに限らず、女性のみなさんが抱える悩みと捉えられますね。では、そもそも月経痛や不順がなぜ起きるのか、簡単におさらいをしてみましょう。
月経痛は、プロスタグランジンというホルモンの分泌量が多いことで起こると言われています。また月経不順の原因は、疲労やストレスなどによるホルモンバランスの乱れと見られています。
月経には痛みが伴うと思われがちですが、実はそうではありません。もし痛みを感じられている方は、それを放置すると婦人科疾患のリスクに繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
PMSは大体、月経が始まる3〜10日前くらいから現れる身体的、精神的不調を指し、女性ホルモンの急激な変動が原因のひとつと言われています(諸説あり)。
身体面はむくみやだるさ、精神面ではイライラや落ち込みなどの不調が多く見られます。このような症状がある方は、PMSの可能性もあるので、臆せずに産婦人科等を受診することをおすすめします。
伊藤さんは、月経の不調対策で何か取り入れたことはありますか?
低用量ピルは、勉強していた時期に飲んでいました。実はその頃に、不正出血があったんです。すごく充実した日々で気持ちはハッピーでしたが、体には不調のサインが出ていました。この時は対処法が見つかってよかったのですが、自分に合う方法に出合うことは難しいと思いますね。
強いメンタルに導く「誰でもできる簡単習慣」
コーチや周囲の方々と積極的にコミュニケーションを取りながら、一緒に頑張れたらよかったのかもしれません。ですが当時の自分が選んだ方法は、外野の声に流されず、自身の体と向き合い、自分の気持ちに正直になることでした。
当時の私に、ホルモンのバランスによってメンタルが大きく左右されるという認識はありませんでした。もし月経周期を早くから意識していれば、体調の変化を予測できていたかもしれません。次世代の選手たちが同じ悩みを持たずに済むためにも、周期を意識するようアドバイスしています。
試合前や試合中に感じる不安や緊張の原因は多岐にわたりますが、明らかにPMSによるものだとわかっている場合は対処法もあります。まずは原因の特定が大事かと思います。
また「大会前の緊張やプレッシャーのコントロール法について」も質問したところ、「いつも通りの生活を心がける」という回答が最も多く、「睡眠を十分に取る」「お風呂にゆっくり浸かる」が続きました。伊藤さんは何かされていましたか?
具体的な注意ではなかったのに、当時の私はなぜかとても傷つきました。メンタルって何だろう、弱いってどういうことだろうと。その言葉の意味を考えながらずっと落ち込んでいました。
強さや弱さは、人それぞれです。結果が出ないことが弱いのであれば、ほとんどの人が弱いことになります。強さや弱さは、周りが決めることではないはず。まずは、自分自身が己の強みや弱みを知るべきだと思います。
私は「メンタルタフネス」つまり「精神的な強さ」という概念を研究しました。メンタルコントロールをしたり、何かに挑戦してコミットメントできたりするのは、オンの時はしっかり頑張る、オフの時はちゃんと休むということが元にあるんですね。ですから、結果に指標を置くことはないかなと思います。
ずっと頑張っていることがメンタルが強いと思いがちですが、しっかり休んで頑張ることがメンタルタフネスに繋がるのです。
「子供は勝手に育たない」出産、育児をして痛感したこと
今は健康で元気でも、いずれ閉経は訪れるということを若いうちから客観的に知ることが大事だと思います。また、妊娠、出産が心身にこんなにも大きな影響があるのだと経験してわかりましたね。
そのため、ホルモン療法を行い、ホルモンの値を見ながら少しずつ妊活をしていました。そういった情報も実際に経験しないことには知り得ないですよね。月経が来ていても安心せずに、産婦人科で診てもらうことは大切だなと思います。
無事に産まれることはなんて奇跡なのだろうと、約10か月の妊娠期間中はめちゃめちゃ緊張していました。
父母だけでなく、近所の人たちも巻き込んで(笑)、ひとりの子供をみんなで育てていく社会にしないといけないのかなと思いますね。
ミレーナを入れたのは、産後すぐに月経が戻り、PMSの症状や月経痛がだんだん酷くなったからです。子宮内膜が厚くならないので、子宮内膜症や子宮腺筋症などのリスクも減るんですね。
「妊娠する力」が急激に低下する年齢とは
しかも減るスピードは、人それぞれ違うんです。これは、AMH(アンチミューラリアンホルモン)という値を調べると残された卵子の数がわかるので、妊娠、出産を考えられている方はぜひ調べることをおすすめします。
年齢と卵子の数について、伊藤さんはご存知でしたか。
社会的な背景を考えると、現代女性の出産年齢は32歳ぐらいです。その頃になると、卵子があってもなかなか排卵しない早発閉経と言われる症状もありますよね。
妊孕力の鍵は、卵子と子宮環境にあります。卵子の数が足りない、またはあっても排卵しなければ受精しません。また、排卵して受精できても卵子のベッドとなる子宮環境が良くなければ育ちません。どちらも整えていく必要があるんですね。
また、自然妊娠する確率は30歳を超えると徐々に低下していき、35歳ぐらいから急激に下降します。この年齢は意識した方が良いと言えますね。
妊娠を希望し性交渉をしているにも関わらず、1年以上妊娠しない状態を「不妊」と言います。不妊治療を受けているカップルは約5組に1組で、晩婚化によりどんどん増えるだろうと言われています。
不妊の原因は男女どちらにもありますが、女性の方が6割とやや多いため、女性の皆さんはより一層意識して検査や婦人科検診を受けていただくといいですね。また、妊娠を望まれるのであれば、先ほども申し上げたAMHの値を調べることをおすすめします。
以上、現役時代を振り返りながら、女性特有のヘルスケアやメンタルについて、伊藤さんによる貴重なお話を伺いました。ありがとうございました。
キャリアプランや目標設定法、体のケア、月経についてなど、伊藤さんがお悩み相談に答える後編はこちら。
競泳元日本代表・伊藤華英が一生忘れない「先輩からの“気づき”」<mederiセミナーレポート後編>【PR】
いつでもスマホから簡単に受診できる、「誠実」と「続けやすい」を大事にしたオンラインピル診療サービス「メデリピル」。
産婦人科医による丁寧なオンライン診療であなたの悩みに合ったピルを提案、最短翌日にお届けします。初月ピル代無料、診療代はずっと無料。ぜひお試しください!
メデリピルの公式サイトはこちら👇