「嬉野市全体が子どもの居場所に」大山加奈が市民との対話で感じたこと

2024年2月19日(月)に、スポーツフューチャーセンターうれしの 第3回セッションが開催されました。スポーツの力で「まちの課題解決」を目指す佐賀県嬉野市では、アスリートと市民によるセッションを通して、未来志向の対話を進めています。

今回のセッションは、元バレーボール日本代表で、2児の母でもある大山加奈(おおやま・かな)さんをゲストに迎えて実施。嬉野市からはゲストスピーカーとして、県内の放課後児童クラブの支援や、嬉野市こどもセンターLykke(リュッケ)を運営する長尾千夏(ながお・ちか)さんが参加しました。

「宿泊型ケア事業、駄菓子屋、預かり事業など、民間ができる子どもたちの居場所づくりとは?」をテーマに、地域共生と子どもたちの未来を見据え、実際に地域社会で実現可能なアイディアを交換しました。

※スポーツフューチャーセンターとは?
北欧で発祥したフューチャーセンター(異なった組織や立場の人々がその組織や立場を離れ、自由に関係性を形成し、未来志向で創造的な対話をおこなう「場」のこと)にスポーツの力(情報発信能力;アンプ、連携を進める能力;ボンド)をかけあわせたもので、嬉野市の取り組みが世界初となる。なお、「フューチャーセンター」が「場」をあらわすのに対し、対話の過程及びその内容は「フューチャーセッション」と呼ぶ。

地域で支え合う、嬉野へ

子どもたちの安全な環境づくりについて語る長尾さん

まずは2人の講演からスタート。日々、ママたちのやってみたいことが実現できるように活動されている長尾さんは、子どもたちの安全な環境づくりに関して語りました。

子どもたちの安全な環境づくりの実現に向けて、地域全体で子どもたちを支え合う体制や施設の必要性、そして日常でのコミュニケーションが重要だと語気を強めます。子どもの自主性を尊重し干渉しすぎず、一方で困った時に手を差し伸べる大人の存在が近くにいる環境を整えていきたいと話しました。

子育てに励む当事者として参加した大山さん

大山さんは3年前に双子を出産し、育児に奮闘中。「子どもの泣き声が人に迷惑をかけるのではないか」と公共交通機関の利用や外出を諦めることが多くあったそうです。

その中で、地域コミュニティの重要さを実感していると話します。大山さんが暮らす地域では、まちの床屋さんが子どもを預ける場所としてのお店を解放してくれているそうです。たくさんの子どもが集まり子育てをサポートしてくれている環境と地域のハブになっている場所があることは、安心感があると語ります。

また、一人で押すことが難しい双子用のベビーカーを動かせずに困っていたとき、手伝ってくれた方がいて救われたというエピソードも。大山さんのお話は、地域が一体となって子育てを支えることの価値を浮き彫りにしました。

「子どもの居場所を作る」ためのアイディアを共有

セッションでは対話を重ね、未来志向で「今のあなたができること・すべきこと・したいこと」を探求しました。

グループをシャッフルしながら、多角的に意見を出し合い、アイディアをより具体的に落とし込んでいきます。

大山さんも対話に参加して、アイディアを出し合いました。

最後に各テーブルごとに出たアイディアを発表しました。参加者同士でアイディアを共有することにより、会話のきっかけが生まれます。

あるチームは「心をつなぐ、子どもの居場所を作る。おむすびプロジェクト」を考案。佐賀で作られているお米を活用し、近くにある嬉野高校と連携しながら、老若男女関係なく交流できる場所を提供したいと話しました。

もう一つのチームは、「子どもの居場所マップ作り」を考案。子どもがどこにいるのか、その場所で何ができるのかをまとめて確認できる機能を搭載し、施設の混み具合も把握できれば良いのではないかと発表しました。

10年後の嬉野がどんなまちになっていくのか楽しみ

セッションについて、長尾さんと大山さんは以下のように振り返りました。

「皆さんが真剣に考えている姿を見て、とても嬉しい気持ちになりました。地域に寄り添ってくれる人がいることが、嬉野の魅力だと感じています。子育てしている世代の方にとっても、心強いと思います」(長尾さん)

「 子育てをしていると、どうしても『自分でやらなきゃ』と、つい頑張りすぎてしまうんです。でも実際は、夫婦2人でも難しい場面が多くあります。

子どもにとってパパとママが笑顔でいることがいちばん大事。周りの方の力を借りて、子育てを楽しんでほしいなと思います。

今回の参加者の方が真剣に話し合う姿は、子育てをしている当事者として温かく感じ、感極まるものがありました。嬉野の10年後がどんなまちになっていくのか楽しみです」(大山さん)

参加者が一丸となって子どもたちの未来を考え、具体的な行動に移すきっかけを創出できた今回のセッション。地域社会の一員として、私たち一人ひとりが行動することによって、今後の嬉野がどのように変化するのか楽しみです。

 

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