骨折のリスクも。生理不順を改善すべき理由と4つのポイント

生理周期が不安定で、パフォーマンスを整えるのが難しい。そう感じているアスリートも多いのではないでしょうか?

今回は、管理栄養士の佐藤彩香さんに、生理不順になった場合のリスクや食事からの向き合い方についてお聞きしました。

■教えてくれる人

佐藤彩香さんのプロフィール写真

佐藤 彩香(さとう あやか)

管理栄養士

企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後に独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行ないながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。

OFFICIAL BLOG「三度の食事は三回のチャンス」

生理不順・無月経とは?

正常月経の範囲は、月経周期日数を25~38日とした場合、約1週間程度になります。次の月経まで25日未満で出血したり、間隔が39日以上かかっている状態のことを生理不順といいます。

無月経は、妊娠していないにもかかわらず90日以上月経が来ない状態を指します。90日ほど月経が来ない場合は、一度産婦人科を受診することをお勧めします。

 

生理不順=ホルモンバランスの崩れ

月経不順の原因として、子宮の疾患なども考えられます。しかし最も多いのは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れです。不規則な食生活、心身のストレスが、月経リズムの乱れに繋がっているのです。

ホルモンバランスは、食生活が乱れると簡単に崩れてしまいます。例えば、過度なダイエットにより必要なエネルギー源がとれていなければ、ホルモンを上手く作り出すことができなくなります。また、心身のストレスに対抗していくためにも栄養素は必要です。このようにホルモンバランスと食生活は、まさに直結しています。

 

不妊、骨折、がん。生理不順にはリスクが多い

アスリートに知っておいてほしいのが、生理不順が続くと骨折しやすくなること。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、骨の新陳代謝に関わっており、骨吸収を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制します。正常に月経が来る女性は頻繁にエストロゲンが分泌されていますが、生理不順だとエストロゲンの分泌回数が少なく骨が弱くなるリスクがあります。

妊娠しづらくなる可能性もあります。周期が乱れているということは、排卵日などが特定しづらいということです。将来妊娠を望んでいれば、できる限り改善すべきです。

また、生理不順を放置しておくとがんになる確率が上がるというデータもあります。

 

生理不順に対抗するための4つのポイント

では、生理不順になっている方が不足しがちな栄養素と対策をご紹介します。

 

①過度なダイエットや豊富な運動量によるエネルギーの不足

エネルギーが不足すると、ホルモンバランスは崩れやすくなります。その状態が続けば、無月経に繋がる可能性も。まずは自分の活動に対して適切なエネルギーが確保できているのかを確認しましょう。
<エネルギーの必要摂取量に関する記事は以下記事参照>

 

②たんぱく質の不足

たんぱく質は身体を作る成分です。血液を作ったり、体内に必要なホルモン作りにも関与します。エネルギーにもなるため、たんぱく質は身体にしっかり入れておく必要があります。

朝:コーヒーとパン
昼:パスタ、サラダ

という食生活のパターンが続いていませんか?たんぱく質が不足すると、ホルモンバランスが乱れやすくなります。  肉や魚、卵、大豆などのおかずを足してみましょう。

 

③鉄分の不足

貧血は生理不順を引き起こしやすくなります。また、鉄分不足になると、子宮を妊娠しやすい状態にする黄体ホルモンの分泌が低下し、不妊になりやすくなることもわかっています。赤身の強いお肉、お魚、貝類など鉄が多い食品をしっかりとっていきましょう。

 

④抗酸化栄養素の不足

抗酸化栄養素をとっていないとストレスの緩和が難しくなり、生理不順に繋がる可能性があります。抗酸化の代表的な栄養素はビタミンA・C・E。緑黄色野菜や果物やナッツ類に多く入っています。

 

まずはしっかり上記の栄養素をとることが大事です。その上で、何より生理中は血液が外に出るので、たんぱく質や鉄分などの栄養素をより意識して確保していきたいところです。生理痛を促進するような食事をせず、身体を温めて、血流を良くすることも求められます。
<生理痛と栄養に関しては以下記事参照>

 

生理中におすすめレシピをご紹介!

生理中におすすめのレシピ「魚介と野菜のハーブ和え」をご紹介します。

サーモンや亜麻仁油は血液の流れを良くしてくれます。

また、たことサーモンでたんぱく質がとれて、ベビーリーフやトマトなどの緑黄色野菜、オレガノなどのハーブは抗酸化力もバッチリです。ぜひ作ってみてください!

魚介と野菜のハーブ和え

〜材料〜

ベビーリーフ 60g
サーモン 30g
タコ 30g
ミニトマト 6個
◎水 小さじ1
◎レモン汁 小さじ1
◎はちみつ 小さじ1
海塩 少々
◎アマニ油 大さじ1.5
◎オレガノ (乾燥) 少々
◎バジル(乾燥) 少々
◎タイム (乾燥)

〜工程〜

①◎を混ぜておく
②サーモンやタコを食べやすいようにスライスする
③野菜を洗い、ベビーリーフと半分に切ったプチトマトの水分をしっかり切って、①と②を和えてできあがり。

 

6/26(金)21:00-22:00に開催するビートレ栄養セミナー「生理不順×アスリート〜根本原因にアプローチする食事の考え方〜」では、生理不順の詳しい仕組みや、どのような仕組みでそれぞれの食材や栄養素が有効なのかなど、今回お伝えした内容を深めていきます。

ぜひご参加ください!

<イベントのお申し込みはこちら

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