「野球を超える人に出会ったから、結婚した」片岡安祐美のパートナーの選び方


テレビで観た甲子園に憧れて、9歳の時に野球を始めた片岡安祐美さん。高校は熊本商業高等学校に進み、硬式野球部に所属。3年連続で女子野球日本代表に選出され、2.3年目の世界選手権では優勝を飾ります。その後、萩本欽一監督が率いる茨城ゴールデンゴールズに入団し、全日本クラブ野球選手権連覇に貢献。

2011年に社会人チーム初の女性監督に就任した彼女は、2018年に元プロ野球選手の小林公太さんと結婚。「初めて会うタイプの人」と語る安祐美さんに、過去の恋愛ストーリーや、当時の本音を伺います。


多くの有名アスリートのプロデュースを手がけてきた、しげるちゃんの対談シリーズ第六弾です。

(聞き手:しげるちゃん/文:横畠花歩)

 


左:
片岡安祐美(かたおかあゆみ)

2005年に茨城ゴールデンゴールズに入団。現在は同チームで、社会人チーム初の女性監督を務めている。タレントとしても幅広く活動しており、テレビ・CM出演をはじめ講演会への出演など、幅広い芸能活動を行う。

右:しげるちゃん

商品プロデューサー/インタビュアーとして活躍。CS局の旅番組にも多数出演、海外のファッション・流行などをナビゲートしている。元男子サッカー日本代表長谷部誠選手の著書『心を整える。』のプロデュースも手がけた。

男子79人対女子1人、男性組織での役割は“恋のキューピッド”

しげるちゃん
安祐美ちゃん、今日はよろしくお願いします。安祐美ちゃんはいつから野球をやってるんでしたっけ?
片岡さん
9歳の頃にはじめました。高校卒業後にゴールデンゴールズへ入団することが決まって、大学を受験しました。
しげるちゃん
大学を受験してから入団先を探したわけじゃなかったんだね。
片岡さん
私は野球に関することを先に決めてから進路を決定していました。高校受験のときも同じで、高校球児として受け入れてくれる先を探してから受験に挑みました。
しげるちゃん
今は、女子選手でも甲子園に行けるの!?
片岡さん
行けませんね。女子だけの大会はあるのですがが、私の場合は部員80人弱の熊本商業高校の野球部に所属しながら、年に一回開催される世界選手権に選出されることを目標に練習にはげんでいました。
しげるちゃん
いやだ、、安祐美ちゃん以外は全員男子球児(笑)
片岡さん
79人が男子部員で、女子は私1人という男女比でした。
しげるちゃん
そそられるわ~、羨ましい(笑)当時から男子の中にいること自体にはすっかり慣れっこだったんだね。18歳で東京に出てきてすぐに芸能事務所に所属したころは、TVのお仕事とか沢山していたけど、事務所からは「恋愛はダメ」とか言われたりしてなかったの?
片岡さん
うちの事務所は特に禁止してませんでしたね。でも東京に出てすぐは、高校のときに付き合っていた彼のことを引きずっていたので、恋愛はしてませんでした。
しげるちゃん
引きずるんだっ!!(笑)
片岡さん
引きずるというか、4ヶ月弱付き合ってきた仲で別れしなに「俺なんかが片岡安祐美の彼氏でいいのかとずっと思ってた」って言われんです。その言葉に、当時高校生の私はすごく傷ついて。ゴールデンゴールズに入団して遠征で国内を飛び回るようになって、忙しさによって心の傷が癒えるまで半年ぐらい、引きずってました。
しげるちゃん
当時、地元の熊本では、特に名前も知られていた安祐美ちゃんの彼氏になるって、ティーンエイジャーの男子にとってはプレッシャーだったのねっ?その気持ち、今ならわからなくないな・・・。でも野球・撮影・収録・・・と忙しくしていると時間の経過もあっという間だから『恋の傷』も、きっと自然に治癒したのよ。にしても、高校生のころの『恋バナ』はキュンとなるね~

片岡さん
いいですよね〜とはいっても、男子部員79人のなかではずっとキューピッド役で、蚊帳の外でしたが(笑)そういえば高校生のときの恋愛の話、30歳越えてから初めてした気がします。
しげるちゃん
しげるは思い出せないです(笑)

 

恋愛の壁を高くする「美女アスリート」の看板

しげるちゃん
安祐美ちゃんは、高校卒業後、同年代のなかで過ごす時間なく大人の社会に入っちゃったけど、その当時『恋愛をするのであれば』相手の年齢(年下・同い年・年上)は気にしてたりしたの?
片岡さん
私の旦那さんは年下ですけど、基本的には年上が好きです。ありがたいことに、しっかりしていると思われているようで、“みんなが思っている片岡安祐美”を保たなくちゃと意識してきたなかで、年上には包容力があるし甘えさせてくれるイメージがあるんですよ。
しげるちゃん
安祐美ちゃんは、2018年に旦那さん(元プロ野球選手の小林公太さん)と結婚されたけどもともと結婚願望とか強かったっけ!?
片岡さん
そもそも恋愛経験が豊富な方ではなかったし、結婚の話題が出てもどこか他人事でした。私にとって野球がすべてだったので。野球と恋愛は別物で、影響が出ることもなかったですしね。
しげるちゃん
何よりも打ち込める野球があったから『恋愛至上主義』には、ならなかったのね?
片岡さん
20歳を越えてバラエティ番組に出演し始めて、「美女アスリート」として取り上げていただいてた当時、女子アスリートが恋愛をすると本業がおろそかになると言われたり、ちょっとしたことで勘ぐられてしまったりね、それがすごく嫌だったんですよ。いろんな番組に呼んでいただけたのは嬉しかったけど、「競技で注目されたいよね」というのは周りのアスリートとよく話してました。
しげるちゃん
当時から、『美人女子アスリート=アイドル化』していて『恋愛』も競技の成績同様に注目されちゃう立場にいたものね~。事務所からも世間からも『恋愛しちゃダメ』って空気感はあったと思う。恋愛にのめり込んで、主である競技に影響しちゃうと、いろんな人に迷惑かけちゃうものね・・・。
片岡さん
でもそれって女性に限ったことではないですよね。恋愛に重きを置く選手だっているわけで、それが悪いとは思わないです。たまたま本人のコンディションが悪いときに、恋愛という理由づけをされて書かれてしまう場合もありますし、難しいですよね。
しげるちゃん
テレビとかの露出に比例して男性ファンも増えたと思うんだけど、恋愛の話題において、ファンのことを意識したことはある?
片岡さん
私は異性からどう思われるかというよりも、競技で結果を出すことに注力してたので。男性のスポーツ選手の場合は、スポーツを頑張る動機に“モテたい”があるケースも、中にはあるみたいだけど、女性はあまりないですよね。逆にやればやるほど遠ざかることも(笑)
しげるちゃん
確かに、「女の子にモテたい」は、男子がスポーツを始めるきっかけになることもあるよね。そして成績が伴ってきてからは、スポーツを続ける原動力の1つになっていくのかも?メディアの『美人女子アスリート特集』でアイドル化された選手たちは、間違いなく男性ファンが増えたんじゃないかしら。ほんとは競技自体を、もっと知ってほしいんだろうけど・・・・。

 

「協定、成立!」こじらせ女子アスリートの、パートナーとの出会いと結婚

しげるちゃん
ところで、安祐美ちゃんって彼や好きな人に対して『いま、何してるのかな?』とか『既読されてるのに何で連絡ないのかな?』とか・・・携帯を気にしてウジウジしちゃう事とかはあったりするのかしら?
片岡さん
いえ、今までに付き合ってきたなかで、そういったことは一度もないです。逆に私が心配される側だったかな。
しげるちゃん
安祐美ちゃんて、いままで相手はスポーツに関わっている人が多かったんじゃない??
片岡さん
そうですね、野球経験者しかいないです。野球一筋で、出会う場がそもそもなかったんですよね。
しげるちゃん
『野球経験者しかいないです』って、ハッキリ言うとこが好き(笑)野球経験者を含むスポーツ経験者って、果たしてマメな人が多いのだろうか?それとも、あっさりしている人が多いのかしら!?
片岡さん
旦那に関しては遠距離恋愛だったこともあって、付き合ってる当時はマメでしたね。初めての年下の彼氏で、しかも5個も下!私が飲んで帰って酔っ払って、連絡せずに寝ちゃったりとかしてたので、外に飲みにいくのも嫌がってましたね。
しげるちゃん
彼は、どこに住んでたの?
片岡さん
当時彼は1年間の語学留学でシドニーに行っていて、一時帰国していた2週間のうちに日本で出会い気づけばそのまま結婚をしていました。彼との恋愛には距離があって物理的に会えないから、デートする時間を割かなくてよくて。私は野球に集中できるし、彼は英語を頑張れる。お互いに、やるべきことに打ち込みながら関係性が築けたらいいなと思って付き合ったんですよ。
しげるちゃん
女子アスリートが選択をする男性って、どんな人なのかしら?『俺が俺が』的な自分を中心にしちゃう男性は無理だとは思うけど。
片岡さん
かも知れないですね。私自身が我が強いので。うちの旦那さんからは、付き合ってるときに「俺には当たってくれていいから」とは言われました。
しげるちゃん
人生初の年下男子はどう?
片岡さん
年齢云々というより、彼は今まで出会ったことがないタイプで、私からすると超宇宙人でしたね。自分が監督に就任して4、5年経つころ、視野が狭くなっていると感じた時期に出会ったんですが、告白から3日ぐらいしか経ってなかったけどパンっと交際を決めました。私の世界を広げてくれそうだなと思ったんです。

しげるちゃん
『いま、会いたい』ときに会えない遠距離恋愛って、自然消滅をしてしまうパターンも多いような気がするんだけど、そこを乗り越えて結婚をしたのね。『恋愛関係』だった頃とは何か変わった?
片岡さん
最近は喧嘩をしなくなったんですけど、結婚当初は小さなことが見過ごせなかったりして、喧嘩が多かったですよ。

しげるちゃん
でもね、最初のころの喧嘩というか『言い合い』は、お互いをよく知って仲を深めるために必要だったりすると思うなぁ。『私はこういう〇〇が嫌』だとか、微妙な違いを相手にも分かってもらいたいじゃない?そのためには、ほどよく『言い合い』は大事だと思うし、それがないと刺激がない気もする。きっと安祐美ちゃんたちは喧嘩じゃなくって半分くらいは『言い合い』だったんじゃないかしら?

片岡さん
“わかってほしい”が通用しない場合もありました。「私は嫌だよ」に対して「俺は嫌じゃないし」って。私は旦那さんの言葉に一喜一憂してしまうし、基本ネガティブなんですよ。なので最近は「私のベースは人より傷つきやすい。私はあなたの言葉に悪気がないのはわかっていて、だからそれに傷つかない人間になります。あなたも私が人より傷つきやすいんだと思って言葉を選んでください」という協定を結ぼうと提案したら、向こうもうなづいてくれたので、握手をしました(笑)

しげるちゃん
建設的な協定!!恋愛関係じゃなかったとしても、相手がどういう人なのかをわかった上で言葉を発しないと、傷つける事もあるから難しいよね。言葉選びは大切だと思う。それに、『好きな相手』だからこそさらに、一喜一憂は、しちゃうよね。
片岡さん
私、だいぶ拗らせてるなと思うことが多いんです。性格の強さに比例して恋愛も攻めだと思われがちだけど、対人間で考えたときに相性ってあるじゃないですか。場合によっては努力が報われないこともあるわけで。一目惚れは絶対にないし、自分が傷つかない方を選んできたし、好きな人にも全てを知られるのが嫌だったんですよ。
しげるちゃん
ねえねえ・・・安祐美ちゃんには素敵なパートナがいるからいいけど、しげるなんて1人で拗らせてるんだから(笑)
片岡さん
私の今までの人生では、守りたいものが野球だけだったけれど、そこに“家族”が加わりました。私もなかなか素直になれないから旦那さんは苦労してると思うんですが、これ以上拗らせないように気をつけます!

⬛︎プロフィール 片岡安祐美(かたおかあゆみ)

熊本県出身。甲子園に憧れて野球を始め、2001年には女子硬式野球日本代表に選出される。2002年熊本商業高校野球部に入部し、同年に開催された女子野球世界選手権では準優勝に貢献。2005年に茨城ゴールデンゴールズに入団、2010年に監督を勇退した萩本欽一に任命され、2011年より社会人チーム初の選手権監督に就任した。タレントとして、テレビやCMに幅広く出演している。

 

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC6FIlAjSlYM9TZEe8YXGMfQ
Instagram:@ayumi.kataoka_gg.1
オフィシャルブログ「安祐美のあゆみ」:https://ameblo.jp/ayumi-kataoka/

 

しげるちゃん

商品プロデューサー/インタビュアーとして活躍。芸能人やタレント、モデル、スポーツ選手など、様々な業界の著名人との交流が深く、自身がプロデュースするアイテムは、そんな多くの著名人が愛用することで知られ、メディアやSNSでも話題に上がる。また、CS局の旅番組にも多数出演、海外のファッション・流行などをナビゲートしている。

Instagram:@shigeru39

撮影協力:ル コンテ (le conte)

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