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体脂肪は脂質のせいじゃない?スポーツ女子の脂質改革

こんにちは、スポーツ栄養士の佐藤彩香です。スポーツ女子にとっての脂質の重要性を考えていくシリーズ『スポーツ女子の脂質改革』。今回のテーマは「体脂肪の付き方」。食べた脂質がそのまま体脂肪に変わると勘違いしている人も多いのではないでしょうか。体脂肪が増える原因を理解して、食事内容の改善に役立てましょう。

おさらい・・・脂質の役割り

脂質の役割は以下の通りです。

・エネルギー源

・ホルモン、細胞膜、核膜を構成

・皮下脂肪として、臓器を保護したり、からだを寒冷から守る

・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促す

など様々な働きがあります。

このなかの「エネルギー源」としての役割が、体脂肪がつくメカニズムと関係しています。

体脂肪がつく仕組み

人間のエネルギー源となる大切な糖質と脂質。この2つはしっかり必要量を摂る必要がありますが、人によっては「太るのではないか」と避けがちになる栄養素でもあります。適切な内容や量を摂取すれば、脂肪になることなくエネルギー源として働きますので、筋トレやスポーツをする方は効果的に取り入れていきましょう。

そのためにも、摂取したエネルギーが体脂肪になるまでの流れを知っていると、無理な食事制限などもなくなるのではないかと思います。

今回は糖質と脂質、それぞれが脂肪になる仕組みをお話しします。

糖質摂取の場合

摂取する糖質の大部分は多糖類で、これに少量の二糖類と単糖類が加わります。多糖類は米やパンや麺類などの食品です。二糖類は砂糖などで、単糖類はブドウ糖などを思い浮かべてもらえたらと思います。

これらは最終的に単糖類に変えられ、小腸から吸収された後、肝臓と筋肉に取り込まれます。肝臓に取り込まれた糖質は血糖値の維持に使われ、筋肉に取り込まれた糖質は、筋肉自体のエネルギー源となります。

過剰摂取分が脂肪組織に蓄積。しかし不足も代謝を下げる

糖質はからだを動かすうえで非常に重要な働きをもっています。糖質が変換された形である「グルコース」*をほぼ唯一のエネルギー源としている脳や赤血球に対して、エネルギーを安定供給したり、筋肉に蓄えられることによって、エネルギー不足の際に起こる筋分解を防いでくれます。

もし筋肉に蓄えられる糖質が少なければ、せっかく摂取したタンパク質がエネルギーとして消費されてしまい、筋合成に回す分を十分に残せなくなってしまいます。つまり、糖質の控えすぎは筋肉の減少にもつながり、代謝が下がる要因にもなるのです。

*グルコースとは、糖質がからだのエネルギーとして使われやすいように形を変えたものです。肝臓や筋肉に蓄えられる際には、グリコーゲンという形になります。からだがエネルギー不足を感じた時には、グルコースに変換され、脳や赤血球、筋肉に作用します。

ではどのような場合に、糖質が体脂肪になってしまうのでしょうか。糖質の摂取量が必要量を超えると、一部は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されます。しかしこの量には限度があり、過剰に摂取した糖質は脂肪として脂肪組織に蓄積されるため、肥満の原因となるのです。

また、糖質が効率よくエネルギーに変換されるにはビタミンB群が必要です。ビタミンB群が少ないと、エネルギー変換効率が下がり、脂肪にもなりやすくなるのです。

血糖値の急上昇も、脂肪をつける原因に

また量はもちろんですが、血糖値の上がり方と体脂肪のなりやすさも関係していることを覚えておきましょう。

①食事で糖質を摂取すると、消化・吸収された単糖類であるブドウ糖が血中に大量に放出される。

②食後血糖値が上がる。

③血糖値が上がりすぎないようインスリンが分泌され、即座に糖分を取り込む。

摂取した糖質がすべて処理され、エネルギーとして使われるなら問題はないのですが、上記で述べたように、貯蔵できる量には限界があり、即座に大量のブドウ糖を取り込むと、脂肪組織に蓄積される割合が増えていきます。

脂質摂取の場合

食事から体内に取り込まれた脂質は、十二指腸(胃と小腸をつなぐ小腸の一部)から分泌される脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きによって、脂肪酸とグリセリンに分解されます。その後、脂肪酸とグリセリンは小腸に吸収され、小腸壁でまた中性脂肪に合成されます。

そして血液に乗って全身の脂肪組織へと運ばれ、様々な脂質の役割を果たします。そこでも使われきれない過剰摂取分が、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されるのです。

冒頭で述べたように、ホルモン、細胞膜、核膜の構成や、皮下脂肪として臓器を保護したり、からだを寒冷から守る、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促すなど、脂質の役割は多くあります。そのため過剰に摂りすぎなければ、脂質がそのまま脂肪になることはないのです。

ビタミンB群の不足と食べ合わせに注意

糖質同様、脂質が効率よくエネルギーに変換されるにもビタミンB群が必要です。ビタミンB群が少ないとエネルギー変換効率が下がり、脂肪にもなりやすくなります。

一緒に食べる食事にも注意が必要です。糖質代謝の説明でも触れたように、インスリンを大量に分泌することでからだは吸収モードになるので、脂質も取り込みやすくなります。その面では糖質摂取量と関わりあっていることがわかります。脂質の量を気を付けていても、糖質を思うままに食べていると、体脂肪になるリスクが高まります。

体脂肪をつけにくい食事のとりかた

脂質がそのまま体脂肪になるわけではない、ということをご理解いただけましたでしょうか。もちろん量を多く摂ってしまうと体脂肪につながりますので、そうならないために気をつけたいポイントをお伝えします。

血糖値スパイクをさける

血糖値の急上昇=血糖値スパイクを起こすことで、体は吸収モードになります。血糖値スパイクをおこさないような食生活がおすすめです。

~ポイント~

①単糖類や二糖類であるブドウ糖や砂糖が入っているジュースやお菓子などを食べすぎないこと。

②ラーメンや丼物などの一品物を食べすぎない。食べる場合は、食物繊維が入っている野菜やきのこや海藻類をそのまえに食べると、余分な糖質や脂質の吸収を抑えてくれます。

ビタミンB群をしっかり摂っていくこと

繰り返しになりますが、糖質や脂質の代謝に必ず必要なものはビタミンB群。このビタミンB群は水溶性ビタミンで、活動量が多いアスリートであればあるほど、消耗が激しいビタミンの一つです。このビタミンB群がないと、摂取した糖質や脂質をエネルギーに変える効率が下がってしまい、体脂肪になりやすくなってしまいます。

ビタミンB群が多い食品は、肉や魚、卵、大豆製品をはじめ、雑穀米などの穀類やナッツ類もあります。ただビタミンB群が多い食品は、同時に糖質や脂質も多く含んでいるものが多いので、量や内容には気をつけましょう。

例えば、肉はばら肉ではなく、もも肉や胸肉を選べば余分な油を避けることができます。主食で白米を食べているようであれば、そこに雑穀米を混ぜるだけで、ビタミンBの含有量も上がりますし、いつも以上に糖質を摂ることもありません。

そのような形で、うまくビタミンB群を食生活で取り入れていけると、エネルギー効率が上がり、脂肪になりにくいです。

いかがでしたでしょうか?この記事を通して「体脂肪を増やさないために脂質を制限!!」という考えが変わっていただけると嬉しいです。脂質は賢く摂る時代なので、スポーツ女子の脂質の考え方がより豊かになるといいなと思います。

■プロフィール

佐藤彩香さんのプロフィール写真

佐藤 彩香(さとう あやか)

企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。

佐藤 彩香 OFFICIAL BLOG「三度の食事は三回のチャンス」を見る

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