筋力を競技力へ。現役アスリート山崎まりのパーソナルトレーニング活用法

山崎まり選手の写真

理想のからだづくりを無駄なく効果的に行うなら、一度は取り入れてみたいパーソナルトレーニング。アスリートの場合は、競技力につながる筋力をつける必要があり、専門的な指導が欠かせません。実際に現役選手はどのように取り入れているのでしょうか?女子野球の山崎まり選手に、パーソナルトレーニングの活用方法について伺いました。

頻度は月に1、2回。自主トレの改善に

ーお邪魔いたします!女子野球選手として活躍されている山崎選手ですが、なぜパーソナルトレーニングを始められたんでしょうか。

山崎選手
自分でもトレーニングはしているんですけど、フォームのズレだとか精度に、やはり不安が出てしまうんです。なので、普段のトレーニングを改善するために利用しています。

ーパーソナルトレーニングを受けることで、日常のトレーニングの精度を上げられているんですね。ちなみに通う頻度はどれくらいでしょうか?

女子プロ野球リーグのプロテストを受け、上京した時から7、8年ほどお世話になっているのですが、シーズン中は月に一度、オフシーズン時は月に二度ほど通っています。トレーナーにメニューを作ってもらい、フォームのチェックをしてもらっています。

ートレーニングをする際のポイントは何ですか?

自分の強みを生かすための筋力作りですね。野球競技をする上で、パフォーマンス力の向上を図っています。女子だからどうしても上半身が弱くなってしまったり、膝の関節が内側に入りやすかったりしてしまう点を、トレーニングで補っています。あとはやはり怪我の予防ですね。

ー女性特有の怪我というのはあるのでしょうか。

生理期間は靭帯が緩みやすく、怪我をしやすくなると言われていますね。野球でいえば、特に下半身からの力を、上半身にうまく活かすためにはパワーが必須です。大学時代に所属していた野球研究室で学んだ知識があるので、より一層意識をしながら取り組んでいます。

ー競技力に繋げるためのメニューを意識しながら行っているんですね。ちなみに食生活についてはいかがでしょう。

食事に関して気をつけてはいますね。お菓子のような、体にメリットの少ない間食はしない、食事を欠かさずに摂るというのは絶対です。自炊はあまり得意ではないんですけど、意識して摂っているのは、たんぱく質と鉄分ですね。

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ー炭水化物もしっかり摂りますか?

しっかり摂ります!お米が大好きで、海外に行くときも米を5kg背負って行くくらい。オーストラリアの合宿にも持って行きました。

ー驚くほどの米好きですね!パーソナルトレーニングを受けるメリットは何でしょうか?

自分のウィークポイントとストロングポイントが把握できること。フィードバックをもらえるので、個人でのトレーニングの際に活かせることですね。繊細で的確な指示は、やはりプロのトレーナーだからこそだなと感じています。パーソナルに通い始めてから、ホームランが打てるようになりました!それまでは、あまりホームランキャラではなかったのですが。

永島トレーナー監修 本日のメニュー

続いて、山崎選手のトレーナーである永島さんにもお話を伺いました。

ー現在行われている、山崎選手へのトレーニングの目的は何でしょうか?

永島さん
今は、筋力をつけることにフォーカスしています。シーズンが始まる前から筋力を徐々につけていって、ここ一番で戦えるからだを作っています。シーズンが近づくにつれて、競技に活かせるようなパワーへとつなげて行く計画です。

ー今日実際に行われるメニューを教えてください。

まずはウォーミングアップから行なっていきます。以下がメニューです。

【ウォーミングアップ】

プリハブ(障害予防のためのエクササイズ)
・ラクロスボールを使用した棘下筋のほぐし

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肩の下にボールを置いています

グルートアクティベーション(お尻の筋肉=殿筋の活性化)
・ヒップローテーション(バンドを巻いて膝を内外に動かす)
・ラテラルウォーク(バンドを巻いて横歩きする)

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ダイナミックストレッチ
・スモウスクワット(足を持った状態でしゃがんで立つ動き)
・インバーテッドハムストリングス(片足立ちで上体を倒す)
・ワールドグレイテストストレッチ(前に踏み込んで体をひねるなどの多くの動きが入ったストレッチ)

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ーウォーミングアップだけでこんなにボリュームがあるんですね。なんと全体のトレーニング量の約半分に当たるじゃないですか!

そうなんです、驚きました?そして以下がトレーニング内容になります。

山崎まり選手のこの日のトレーニングメニュー

・バックスクワット(バーベルを担ぎしゃがんで立つ動き)

・ベンチプレス(ベンチに寝てバーベルを持ち上げる)

・ワイドグリップベントオーバーロウイング(バーベルを持って上体を倒し、みぞおちへバーを引き付ける)

・ルーマニアンデッドリフト(バーベルをもって上体を股関節から前に倒す動き)

・スプリットスタンス・ショルダープレス(前後に足を開き、後ろ膝が床につくすれすれでキープした姿勢でダンベルをあげる動き)

・ウエイティッドクランチ(重りをもって行う腹筋運動)

・リバーストランクツイスト(仰向けの状態で足をあげ、そのまま左右にツイストする動き)

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プレーから逆算したトレーニングを考える

トレーニングでウォームアップはとても重要とはよく言われているものの、内容の約半分がウォーミングアップに充てられていました。また、スクワット・ベンチプレスなどバーベルを持って行うトレーニングに関しては、20kgの負荷から開始してスクワットではMAX80kg、ベンチプレスでは45kgまでを使用されていました。

ー80kgのバーベルを持ってスクワット・・・さすがとしか言えないですね。

山崎選手
去年は100kgまで上げていましたね。今年はフォーム重視でスタートを切っています。

ープロのトレーナーである永島さんから見た、山崎選手のからだの特徴や強みは何ですか?

永島さん
全体的にバランスが良いですね、柔軟性が高くて筋力も高い。強いて言うなら、体幹にもう少し筋肉をつけたいといったところでしょうか。

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ー先ほど山崎選手が、パーソナルに通い始めてからホームランが打てるようになったとおっしゃっていました。

一般的なボディメイクのためのトレーニングと、野球のためのトレーニングの違いは力を伝える方向性の違いにあります。単純な筋力アップだけでなく、競技力がアップする方法を、一緒に考えて実行しています。

取材協力:SAWAKI GYM(https://sg-personal.com/

 

■プロフィール

山崎 まり(やまざき まり)

1989年生まれ。小学2年生の時に真駒内スターズに入団。筑波大学3年時にはIBAF女子ワールドカップで世界一に。2012年秋にプロテストを受け合格、2013年からレイアに入団し、プロ1年目にはチームトップの打点数を記録した。2015年には埼玉アストライアへ移籍、最多打点・最多利打点とベストナイン(三塁手)を受賞。2017年にディオーネに移籍、2018年にアストライアに復帰した。選手権守備コーチを経て2019年秋、プロ野球リーグを退団。

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